富士通は2012年11月27日、飼い犬に装着する小型の歩数計「わんダント」を28日から発売すると発表した。併せて、飼い犬の健康管理のためにインターネット上でデータを管理するサービスを開始する。わんダントの価格はオープンで、実勢価格は約1万円。関連会社である富士通コワーコの通販サイト「富士通さぷらい広場」のほか、一部のペットショップで販売する。
わんダントは、幅46×高さ28.4×厚さ12.5mmで、重さは約16g。マッチ箱サイズの本体に、3D加速度センサーと温度計を内蔵している。わんダントを犬の首などに装着しておくと、10分おきに歩数、震え(犬が緊張したときにぶるぶるする動作)、温度のデータを記録する。今回、数百頭の犬の歩行データを収集し、一方の前脚が着地するたびに「1歩」と数える測定技術を初めて確立したという。
わんダントが利用できるのは、生後6カ月以上で、脚の長さが15cm以上の犬。コイン形電池で約4カ月駆動する。本体色はピンクとブルーの2色。データは本体内の非接触ICカード(FeliCa)に最大14日分まで記録でき、パソコンに接続したFeliCaリーダーやFeliCa対応のスマートフォン(Android)で読み取れる。
読み取ったデータは、インターネット上の専用サーバーにアップロードして管理する。歩数などのデータをグラフとして表示できるほか、飼い主が食事や散歩の時刻を入力して管理することもできる。端末の価格に、同Webサービスの1年間の利用料が含まれ、2年目以降は月額420円とする予定だ。
また、2013年1月からは、ペット保険を運営するアニコムホールディングスと、日本獣医生命科学大学の左向敏紀教授が、わんダントで収集したデータを基に、ペットの行動および健康に関する共同研究を始める。
富士通執行役員常務の大谷信雄氏は、15歳未満の子供よりもペットの飼育頭数の方が多くなっていることを紹介。「犬の健康をサポートしていくと、動物病院やペットショップ、保険会社などの業界ともつながっていくことができる。富士通は堅い会社かもしれないが、『ヒューマンセントリック』という人間を中心とした新しい情報社会を目指している。人間と犬との関係をサポートしていきたい」と新サービスの意義を説明した。同社では、2015年度末までに40万IDの獲得を目指している。