TOP PAGE BLOG ENGLISH CONTACT




  人口87万人の世田谷区長に就任する朝がきた。東日本大震災、そして原発事故が続く中での立候補の決意、そして選挙があった。余震も頻繁にあり、原発事故の収束も見通しがつかない緊張感を強いられながら、私たちは明日の扉をひらかなければならない。何が始められるのか、具体策を次々と方針を打ち出す前に区民の皆さんと区職員の皆さんの声をじっくり聞いてみたい。

 今回の区長選挙結果の報道は「原発問題」が一点で焦点化したが、私の政策の土台には「情報公開と区民参加」を掲げていた。お役所然とした行政組織ではなくて、区民の使いやすい「道具」にどう変革していけるのか。また、「地域の問題はみんなで解決する」ことが定着して、「お互いの顔が見える街」となることで災害時の救援や被害からの再生力が強い世田谷区にしていこうと訴えた。最後の決断はトップがするが、区民と区職員からの提案・提言が日常不断に潤滑に行なわれるようにしたいと思う。

 私はジャーナリストとして約20年間、子どもたちを読者とする雑誌で仕事をしてきた。毎週のように記事を書いていた『週刊セブンティーン』は、総ルビがふってあり、小学校5年生以上を対象にしていた。事実をわかりやすく伝えること、複雑な構図でもていねいに解説すること、そして記事で伝えたい核心を絞り込むことなどを心がけてきた。こうした経験から、国会で働いてきた時も、なるべく「専門用語」(業界用語)を使わずに、普通の言葉を使うように心がけて、唯我独尊にならないように注意してきた。

 まず、区民と区役所のコミュニケーシュンの現在を点検してみたい。そのためには、区民の声を聞くのが一番だと思う。これまで開設されていなかった区民からのメールや手紙によって行政上の問題点や課題、そして要望などに耳を傾けることが出来るようにしたい。また、区の広報のあり方を「一方通行から相互にやりとりをする」形にと改めていきたい。インターネットや新しいツールを積極的に活用して、若い世代に参加を促したいと考えている。

 政治・行政の仕事は、終わることなく連綿と続いていく。私たちが今、考えて取り組むベストの選択も、時間が経過すれば現実にあわない部分が出てきて、古くなってしまう。刷新の機会を生かすことで、これまで積み上げてきた行政の資産も生かすことが出来るようになる。今回、8年続いてきた前区政から新しい区政に転換する機会をうまく生かして、時代に機敏に向き合う行政運営を志していきたい。

 時代や組織が変化し始める時は、まず部分から始まる。全体の95%は昨日までの延長であっても、5%が新たな取組みであるという配分でかまわないと思う。世田谷区全体の課題を把握するためには、区長室にこもらず区内の現場を訪ねてみたい。これは、ジャーナリストとして「現場に行く」「現場で見る」「現場で聞く」ことの大切さを身にしみているから、「現場主義」を貫きたい。そんな船出を今朝、始めようとしている。どうか、よろしくお願いします。

保坂展人

 



  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 世田谷区長選... 福島県南相馬... »