Book Review!


作者:高取 正男

レビュー: 宗教以前 (ちくま学芸文庫) (文庫)

「民俗(習俗)から見た日本人の宗教意識」について、
民俗学歴史学、宗教学、仏教学、神道学、哲学の知見がバランスよく述べられています。
古代宗教だけでなく、民衆の習俗の基底となっている宗教(意識)にもアプローチしています。

宗教以前的な「死穢・血穢・産穢」などについて、
おぼろげな認識しかったことに気づかされました。
墓とか霊魂についても時代や地域、階層によって異なっていたことを知りました。
また、柳田国男の祖先崇拝説が批判されています。
祖霊が神となるプロセスが論証されていない、と。
さらに、現代の問題としての宗教についての提言もあります。

1968年に刊行された本ですが、復古主義にもマルクス主義にも偏ることなく、
冷静??!
?観的に叙述されていると思いました。
が、当時本書を企画した阿満利麿さんの解説で、
成立過程における熱い思いが伝わってきました。


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