余命1カ月でも…たけし激白「日本人は下品」問題指摘 (2/2ページ)

2010.07.03

 「コンピューターは嫌い。メールも嫌い。携帯電話は車の中にあるけれど出たことない。ツイッターだって、冗談の言い合いをしたり、遊ぶんならいいけど、あれを情報として扱っているバカさ加減はよく分からないね」

 「情報って、町を歩いていれば入ってくる。テレビとかなるたけ見ないようにしても、なおかつ入ってくる情報は正しいと思う。でも、今の人たちは情報を探しまくるんです。自分で追いかけるから、たどりついた情報は、たいしたことなくても、すごい情報だと思ってしまう」

 「情報ってだれが出してるんだってことですよ。広告代理店はじめ、いろんなところが、次はここに行かないといけないとか、流れをつくっていくわけですよ。それにみんな家畜のように、檻から檻へと動かされている。その構図が格差を生んでいるのに気づいていない」

■安けりゃいいのか

 「今の日本って、品がいいとか悪いとか言わなくなったね。おれらが子供のころは、そば屋に行列するとか立ち食いとかは恥ずかしいという感覚があったけど、今は、みんな立ってものすごい勢いで食べてる。どうしてこう下品になったか」

 「電車の中の化粧なんて、酔っぱらいの立ち小便と同じようなもんだけど、平気でするようになっちゃった」

 「貧乏を貧乏の中に封じ込めて、その中で金を回すという商売が多すぎるんだよ。服でも食べ物でも、安売りの品だけを買ってたり、安くて早くてという所に並んでばかりだと、絶対上に上がれないよ。3回食べるのを我慢して1回にしなさい。その代わり1000円のやつをゆっくり食う。服も同じ。昔の教育はそれを教えてたはずなんだけど」

 「政治とカネだって、相撲界で問題になっている暴力団とのつながりだって、日本社会そのものが、なあなあでもってきたのは間違いない。メディアも、大きなものに対して闘うと言っている割には、広告主に対してはずいぶん弱気だったりしてね。最近はそれがばれちゃっているんで、メディアに対してみんなの意見が冷たいんじゃないですかね」

 「映画の世界もひどいね。日本のアカデミー賞なんてのは、大手の映画製作会社の持ち回りだし、独立プロははじかれるんですよ。映画評論家も記者も、ときには悪口を書いたり、冷たいことも評論しなきゃいけないのに、宣伝したり、ほめる人間しか、映画会社は呼ばなくなっている。変な癒着があって、腐ってきちゃってる」

■残り時間は考えない

 「政治もそう。政権交代のときにマニフェストが話題になったでしょ。おれはね、高速道路無料化なんて絶対できないって言ったの。民主党のあの人たちを見て、どうしてできるんだって」

 「鳩山さんはたとえば、町内で暴力団に金払っても町はうまくいってたのに『この町に暴力団はいらない』と言う町会長みたいなもんだった。悪人になれなくて、ちっちゃな善人になろうとすると、みんなああいう轍を踏むんですよ。だって基本的に政治家ってのは、多数の人間を殺す可能性がある戦いにまで、主導権を取る人なんだから、小さな善なんて言っている場合じゃない。大善人やるならガンジーやるしかないじゃないですか」

 「おれがいろんな冒険をしてるように見えるのは、映画があったり、テレビがあったり、役者があったり、逃げ場所がいっぱいあるからですよ。こっちでいじめられたら、あっちの穴に逃げちゃおうと、いつも考えてる。それが冒険に見える」

 「交通事故起こして以来、残り時間なんて全然考えないね。今日、もし余命1カ月と言われても、そのまま仕事やって生きる自信あるね。若いころからなぜか、63歳くらいでくたばるかと思ってて、その年になったけど、ここんとこ仕事の調子がいいんで、下手するとあと10年くらい生きちゃうかな」

■「Kitano par Kitano−北野武による『たけし』−」=フランスの日刊紙リベラシオンの日本特派員、ミシェル・テマン氏が5年にわたるインタビューをまとめ、2月にフランスで出版された。生い立ちやテレビ・映画論、交通事故のことなど、多岐にわたる内容。日本語版(松本百合子訳・早川書房)は7日発売。

 

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