ワッシュ的2010年の映画回顧

そろそろ今年も終わりということもあり、半径ワンクリック圏内で「今年の映画ベストテン」的な企画が頻出しておりますが、ぼくは今年はほとんどの話題作をスルーしてしまったので、選べる作品がほとんどないという事態に陥りました。


空中キャンプさんの「2010年の映画をふりかえる」で1位になった『(500)日のサマー』も、話題になった『インセプション』も『トイ・ストーリー3』も『ヒックとドラゴン』も『十三人の刺客』も『息もできない』も見逃したし、『キック・アス』は仙台では来年公開だし、ついでに『極悪レミー』もこちらでは元日公開だし……


というわけで、ベストテンは選べないにせよ、印象深かった映画をつらつらと。

ゴールデンスランバー [DVD]

ゴールデンスランバー [DVD]

首相暗殺と国家的陰謀という題材をユーモアで巧みに調理していて、オール仙台ロケという地元補正もあり、楽しい映画でした。この映画を観た感想と、バンクーバー五輪における国母和宏選手のバッシング報道を絡めたエントリを書いたら、少なくない反響をいただいたのも忘れがたいです。
痴漢は死ね - 男の魂に火をつけろ!

戦場でワルツを 完全版 [Blu-ray]

戦場でワルツを 完全版 [Blu-ray]

戦争のトラウマを巡る、フォルマン監督の地獄めぐり映画。あまりに重い内容のため、観おわってから車で帰ろうと思ったら、アクセルを踏む足に力が入らず、地下の駐車場から危うく出られなくなるところでした。

時をかける少女 通常版 [Blu-ray]

時をかける少女 通常版 [Blu-ray]

「少女」というにはいささか成熟しすぎている仲里依紗ですが、そんな細かいことは気にならないぐらいとにかくキュートで、彼女が笑ったり泣いたり走ったりするのを見ているだけでぼくは幸せでした。

バッド・ルーテナント [DVD]

バッド・ルーテナント [DVD]

映画の中でニコラス刑事は腰痛に苦しみますが、観ていたぼくも腰痛の薬を飲みながら半睡眠状態で観賞していたので、ニコラス刑事が見る幻影と自分の夢幻が交錯して何がなにやら解らない、貴重な映画体験になりました。

第9地区 [DVD]

第9地区 [DVD]

現実に存在する人種差別と貧困というシリアスな題材を扱いながら、男子の心をわくわくさせるすてきウエポンの数々やパワードスーツをフィーチャーし、かつブラックなユーモアで味付けされた快作です。ラストは実は『ゴールデンスランバー』と同じでした。

エクスペンダブルズ [Blu-ray]

エクスペンダブルズ [Blu-ray]

期待していたのか期待してなかったのか、よくわからなかった映画。絶対にツッコミどころ満載だぞ、と思いながら、期待どおりのツッコミどころ満載ぶりに納得しつつ感動するという奇妙な映画体験でした。「いんだよ細けえことは」というザ・松田の台詞を映画にあてはめるとこうなるんだと思います。

『第9地区』と同様にシリアスな社会問題を扱いながら、『エクスペンダブルズ』と同様のツッコミどころ満載のB級アクションに仕上げるというロドリゲス監督の心意気(という表現は確実に当たっていない)が好きです。『エクスペンダブルズ』が80年代のアクション映画にオマージュを捧げていたのに対し、こちらは70年代のブラックスプロイテーション映画をメキシコに移転してオマージュを捧げているあたりが、スライとロドの作家性の違いというところでしょうか。あとお色気に関しては全面的に支持。ミシェル・ロドリゲス姐さんに一生ついていきたい。


ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]

ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]

「午前十時の映画祭」で観賞。ビデオやDVDで何度も観た映画でも、やはり映画館で観るのは格別の味です。

セントラルホールの特別上映で観賞。思えば、この映画でのシャアより年上になってしまったんだなぁ。



というわけで、来年も面白い映画にめぐり合えることを祈ります。もっと映画館に行くようにしよう。