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HsbtDiary


2018/12/01 (土) [長年日記]

エンジニアリングマネジメントについて

Pepabo Managers Advent Calendar 2018 1日目の記事です。

@hsbt が勤務先であるペパボで最近やっているマネジメントについて紹介します。昨年は執行役員CPO兼業務プロセス革新室室長として、主に社内の情報システムやワークフローのアップデートについて携わってきましたが、今年度は技術部長としてペパボの技術者組織を率いる=エンジニアリングマネジメントを担当しています。

エンジニアリングマネジメントと、ただのマネジメントではなくわざわざ「エンジニアリング」と頭につけているからには、それ特有の何かしらの特徴があると考えています。一つにはエンジニアは専門職であるということがあると思います。その専門職集団をマネジメントすることで成果を出すためにペパボでは以下のような事項を @hsbt は執行しています。

  • ペパボのエンジニアの評価制度、採用方針の策定
  • ペパボのエンジニアとしての行動・判断基準の醸成
  • 上記の2つの事項をペパボのエンジニア自身が継続的に行う仕組みの構築

1つ目のエンジニアの評価の基準をどのように定め、どのような期間で行うのかということを決めるというのは想像しやすいと思います。なお、ペパボではエンジニアの評価の基準となる「技術力」を以下のように定義しています。

  • 作り上げる力
  • 先を見通す力
  • 影響を広げる力

技術力の定義は個人や組織で定義は様々なものがあると思いますが、単に作り上げる=プログラミング能力が優れているというだけではなく、メンテナンス性の高いコードを書くこと、書いたコードが社内外の人々やモノを動かすことなどを総合的に勘案して「技術力」と定義しているのはわかりやすいと思います。この技術力の評価に基づいて半期に一度職位制度による等級として上位のエンジニアを任命したり、報酬としての給与の更新を行っています。また、評価だけではなく、新卒・中途の両方の採用においても、合否の基準や観点を定めたり、採用のフローを更新したりしています。

2つ目のエンジニアとしての行動・判断基準の醸成については、ペパボのエンジニアとしてどのような行動を是として、どのような行動を非とするかということの方向性を定め、それを評価制度に組み込むことで組織としての行動のスピードを上げるということをしています。

わかりやすい基準の一例としてはペパボの価値基準である「みんなと仲良くすること」「ファンを増やすこと」「アウトプットすること」などがありますが、それら以外にも様々なエンジニアの価値基準があります。

例えば、「Nice Try」という考え方があります。これは常に「失敗するということは仕事をしているということ、2回目は起こさないように改善を重ねてまた挑戦すれば良い」と @hsbt は言い続けており、ペパボの社内では何かに失敗した時に誰もが「Nice Try」と声をかけて挑戦することを恐れないという文化が作られています。@hsbt はなかなかこのようなコンセプチュアルなモノを考えるのは苦手なのですが、@antipop が得意なので 0→1は乗っかることで 1→100にするということを主に担当しています。(他にも価値基準としては "速" とか色々あります)

3つ目、最後のエンジニア自身が先の二つを行うというのは、制度や価値基準をバックオフィスの部門であったり、社外から決められて採用するのではなく、エンジニアである @hsbt やペパボのエンジニア自身が考えて、実行して、いい場合は継続、よくない場合はアップデートをするということを繰り返すということです。

ペパボのエンジニアは2018/12の時点で約90名ほどいます。この人数を @antipop と @hsbt の二人だけで全て評価したり、価値基準を作って全員の方向性を決めていくというのはなかなか大変なため、CTL(チーフテクニカルリード)を事業部ごとに設置したり、今年はCTLを補佐するTL(テクニカルリード)を設置したりすることで、トップダウンによるマネジメントだけではなく、ボトムアップによるマネジメントも実行できるようにしました。(実際に CTL/TL から @antipop や @hsbt にもたくさん意見が来ます)

このCTL/TLのメンバーと共に、先に述べた3つの事項を継続的に執行しているというのが @hsbt がペパボで行っているエンジニアリングマネジメントです。プロダクトマネジメントに加えて、エンジニアリングマネジメントが重要と言われる昨今ですが、「マネジメント」と言っても何をすればいいのかわからないという方の参考になれば幸いです。

タイ旅行 3 日目

2日目に頑張って外に出すぎたのでこの日は ICONSIAM で軽く買い物してからひたすらホテルでゴロゴロしていた。

ICONSIAM、6階から先はまだ工事中だから待ってね、という状態でオープンしていて勢いしかなかった。全部できた頃にもう一度きたいなあ。この後は Apple Store によって「人多いねー」って話したりしてホテルに戻った。タイ、iPhone 使ってる人が東南アジアにしては多い気がする。

午後過ぎに昼食ついでのアフタヌーンティーを食べてからプールで泳いでひたすら寝たり、思い出したようにアドベントカレンダーのエントリを書いたりしていた。まだまだ遊び方が中途半端な気がするなー。もっとリセットをちゃんとできるようにしたい。