生活保護費でパチンコはダメ 兵庫・小野市が独自条例案
兵庫県小野市が、生活保護費や児童扶養手当を、パチンコなどで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する条例案を27日から始まる市議会に提案する方針であることが22日、分かった。
小野市によると、条例案は受給者の責務として「パチンコ、競輪、競馬などに費消し、生活が維持できなくなる事態を招いてはならない」と具体的に明記。市民が不正受給や浪費を見つけた場合、速やかな情報提供を求めている。不正は警察官OBが調査し、改善を目指すという。罰則はないが、改善されなければ最終的には支給を止める。
条例化の意図について同市の松野和彦市民福祉部長は「社会保障制度は国民全体で支えられていることを市民に知ってもらうため」と説明。厚生労働省は「生活保護などの適正受給を目指した条例は他に聞いたことがない」としている。
小野市は人口約5万人。生活保護は約120世帯に約2億9千万円を支出し、増加傾向にあるという。
厚労省によると、生活保護費の受給者は、車の所有や、保護費を借金の返済に充てることが制限されているが、ギャンブルなどの浪費について明確な規定はない。〔共同〕