彼にとってインターネットは便利なツールになるのでしょうか？
FireFoxの開発者のJennifer Borissさん。ブラウザをよりよいものにするための意見をきくため、ちょっとしたテストをしてくれる人を探していました。テストに適した人物、技術のことをちょっと知ってる人、とっても詳しい人等いろんなタイプのネットユーザーがいます。が、ここでJenniferさんがテスト協力人物として見つけたのは予想もしなかったタイプ、今まで1度もマウスにも触った事がないコンピューター完全未経験者でした。
彼の名前はJoe。60歳でショッピングモールのフードコートで働く男性。JenniferさんはJoeと出会ってすぐにユーザー属性をチェックしようと今までのネット体験をいくつか質問していると、彼がネット未体験であることが判明。今まで全くインターネットに触れていないマウスに触ったこともない、ネット完全童貞の彼ならばすれてない目でなんのバイアスをかけることもなくブラウザを触る事ができる、今までにいない実に貴重な逸材としてさっそくテストに協力してもらうことに。
まず最初にJoeさんが触れたのは、Internet Explorer。これがなんとも大変だったようです。地元のレストランを探すというのをゴールとしてテストをスタートさせると、Joeさんはどこをどうしていいかさっぱりわからず。でも、一応クリックをしてみたようです。なぜそこをクリックしたのかと尋ねると、｢何がなんだか、どこをどうすればいいのかさっぱりわからないんだよ。これは何かをパッと提案してくれるやつだと思ったんだけどな。｣と。
MacでFireFoxを使ってみても結果は同じ様な感じに。皮肉ながら、Macのヘルプメニューも完全未体験者にとってはより困惑させてしまう結果に。
唯一ちょっとましだったのはChrome。ホームスクリーンからの履歴表示が功を奏してYelp（お店クチコミサイト）の｢サンフランシスコ｣のリンクをクリックするまでたどり着く事ができました！ が、すでに他のブラウザを試した後のこの時点では、Joeさんはブラウザ格闘でかなり疲れてイライラしていた様子。継続不可とみなしてここでテスト終了。
ブラウザが使いこなせなかったのは、Joeさんのようにこの時代に未だネット童貞であることが原因だと思いますか？ 君が無知すぎるのが原因だ、と言いますか？ おじいちゃんおばあちゃんがタブレットPCを使い、お父さんお母さんがFacebookのアカウントを持っているこの時代、確かにJoeさんのようなケースはとても珍しいでしょう。今この時代で多くの人は、今までの自分の経験をすべて忘れてインターネットの難しさを思い出すことはできないでしょう。が、今や当たり前の多くのアイコンやコンテンツや技術的な面の理解を一切のぞいてしまえば、パソコンという箱はまだまだ宇宙人と同じくらい未知の箱。今となってはとっくに使われていないフロッピーディスクのアイコンが｢保存｣だなんて、今までの経験なくしてどうやってわかれというのでしょうか。今、パソコンをインターネットを当たり前のように使いこなしているのは、やはり学習したからなのですね。自分とパソコンの歴史を思い出して懐かしく思います。初めてパソコンを触った時のあの、なんとも言えない何もわからない感じ。あれがあってこそ、次世代の素晴らしいインターフェースが登場するのですねぇ。
このテストでJoeさんはイライラしただけではありませんよ。Jenniferさんのヘルプのもと、Gmailのアカウントを手にいれることができました。このメールアカウントで彼はお気に入りのパン屋さんのクーポン券に登録することができました。これをきっかけにインターネットをもっと身近にどんどん使っていくといいですね。身近だからこそ、人は使い始めるし連続して使うんですもの！
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Photo: Shutterstock/Haru
そうこ（Sam Biddle 米版）
