米グーグルが過去最高益 7~9月、ネット広告好調
純利益32%増、21億6700万ドルに
【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルが14日発表した2010年7~9月期決算は、売上高が前年同期比23%増の72億8600万ドル(約5940億円)、純利益が32%増の21億6700万ドル(約1770億円)となり、ともに四半期ベースで過去最高になった。ネット広告依存の収益構造に変化はないが、主力の検索連動型広告の好調に加え、携帯電話向け広告など新規事業も立ち上がりつつある。
実質1株利益は7.64ドル(前年同期は5.89ドル)となり、市場予測の6.67ドルを上回った。好業績を受け、14日の米株式市場の時間外取引で、グーグルの株価は同日の終値よりも一時9%超上昇した。
地域別の売上高では全体の半分弱を占める米国が26%増の35億1700万ドルと成長をけん引。日本を含む「その他地域」も23%増の29億2900万ドルと健闘したが、英国は景気回復の遅れが響き、10%増の8億4000万ドルにとどまった。
同社は売上高の95%以上をネット広告に依存しており、この傾向は7~9月期も同じだった。ただ、同日のアナリスト向け電話会見では新事業も拡大していることを強調。パソコン画面に帯状の枠などで表示するディスプレー広告の売上高が年間25億ドル、携帯電話向け広告が同10億ドルになるとの見通しを示した。
同日の声明でエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)は「中核の検索事業が非常に好調に推移したほか、携帯電話を通じた検索事業など新規事業にも勢いがある」と説明。「人材と製品に対する積極的な投資を続ける」と述べた。
パトリック・ピシェット最高財務責任者(CFO)は「他の業界と違ってIT(情報技術)業界では有能な人材の奪い合いになっている」と指摘。営業や開発で人材確保を急いでおり、9月末時点の社員数が3カ月前に比べて約1500人多い2万3331人になったことを明らかにした。