9月18日に放送されるTBS系スペシャルドラマ『渡る世間は鬼ばかり』3時間スペシャル(20:00~22:54)の脚本家・橋田寿賀子氏と石井ふく子プロデューサーが1日、東京・赤坂の同局で取材に応じた。

石井ふく子プロデューサー(左)と脚本家の橋田寿賀子氏

1990年にスタートし、2011年に1年間の連続シリーズが終了した後も単発番組として放送されてきた『渡る世間は鬼ばかり』。今回の最新作は、眞(えなりかずき)の妻・貴子(清水由紀)夫婦の子育てを巡る騒動……貴子の家出、眞のイクメンぶり、五月(泉ピン子)と眞夫婦とのギクシャクした関係などが描かれる。

橋田氏は「この頃はイクメンと称してご主人が子供を育てたり、一人で育てると育児ノイローゼになるお母さんがいます。そういうの頭にくるんで、そういう精神で書いています。1人でちゃんと育てなさい。そういう怒りをもって書いています」と最新作の脚本に込めた"怒り"を告白。「社会への反発です。イクメンなんて認めません。男の人はちゃんとお仕事さえなされば」と加えた。

そして、姑という立場になった泉演じる五月について「あれは私自身。私が姑になったらああなりますね」と説明。「ピン子ちゃんには悪いなと思っています。もっと優しいお姑に…」という思いも明かしつつ、「そんなんなれませんもんね? 頭にきません? 育児ノイローゼなんて絶対認めない。息子がイクメンなんてなったら頭にきます。『あんたはお仕事してればいいの。子供を育てるのは嫁さんの役目でしょ!』とか言いそうです」と持論を展開した。

また、父親役を演じるえなりへの期待を聞かれると、橋田氏は「あの人に期待してません。現実父親になれそうもないし」と言い放ち、会場から笑いが。石井プロデューサーは「5歳でデビューしたえなりが子供を抱いているのが不思議でしょうがなかった。子供が子供を抱いてどうすんのかなと思って見ております。でも一生懸命彼もやっています」と話し、「もう32歳ですから」と言うと、橋田氏も「あー、32歳」と驚いたようにつぶやいた。

石井プロデューサーはまた、「本当は結婚して一児の父親になっていてもおかしくない年代ですが、やっぱり画面で見るとちょっと違和感がある」と言い、えなりの様子を聞かれると「戸惑っていました。赤ん坊を抱くということがなかったので。でもとてもいい子で、あんまり泣かなかったので、助かりました」と明かした。