中国全土に広がりを見せた今年夏の反日暴動から間もない10月中旬。タイ・バンコクで開かれた見本市会場に、新規開拓にかける日系企業の姿があった。
バンコクにある最大規模のイベント施設BITECのメーン会場。北陸地方に工場を持つ和紙製造メーカーの担当者は「中国はもうこりごり。今後は成長著しい東南アジアで事業拡大を目指したい」と話した。
この見本市は、日本貿易振興機構(JETRO)などが参加して開かれた「バンコク国際ギフトフェア」。「JAPAN HOUSE」と名付けられた専用ブースには東北地方から四国地方まで計25の企業が参加し、和紙や漆器、鉄瓶など日本に伝わる伝統工芸品を数多く展示した。タイ政府から商務省の高官が視察に訪れるなど関心も高く、タイのバイヤー(商品買い付け担当者)など多くの関係者が詰めかけた。
暴動続きリスク回避
ギフトフェアへの参加申し込みは中国での反日暴動以前に締め切られており、暴動が直接の呼び水となったわけではない。