トラフィック調査で分かったP2Pソフトの企業ネットワーク利用状況Webアプリケーション「管理できる化」のススメ【第1回】

日本法人のネットワークの使用状況から、ファイル共有アプリケーションの利用が業務トラフィックに与える影響をランキング形式で読み取る。

2011年01月20日 08時00分 公開
[パロアルトネットワークス,菅原継顕]

 子どもができてから趣味となった写真撮影とハイビジョン動画だが、保存容量が500Gバイト近くになり、バックアップに困っていた。データは全て外付けHDDに保管してあるのだが、Blu-rayでは時間がかかるし、複数枚に分ける作業が面倒だ。そこで最近は、トレンドマイクロのオンラインストレージ「SafeSync」(※)を使っている。

(※)SafeSyncは、年額4980円で容量無制限と、太っ腹な価格設定だ。500Gバイトのバックアップを考えた場合、(執筆時では)最もコストパフォーマンスが良い。

 SafeSyncへのバックアップ(約500Gバイト)は、半月程で完了した。これは、1日当たり30Gバイトほどのバックアップ容量であり、プロバイダーから警告が来てもおかしくないボリュームである。筆者はこれを自宅のインターネット回線から行ったが、もしもこんなことを法人ネットワークで勝手に行う者がいては大変である。業務トラフィックに影響を与えるばかりか、セキュリティ上の懸念もある。

 近年ではTwitterやYouTubeの普及により、そうしたアプリケーションを業務で活用する企業が増えている。では、あなたが所属する組織で、どのぐらいファイル共有アプリケーションが使用されているかご存じだろうか? P2Pとブラウザベースでどちらがより多く使われているだろうか? YouTubeは組織内ネットワークでどれぐらい視聴されているのか? そして、それらのアプリケーションが使用する帯域はどれぐらいだろうか?

 これらの質問に、データを基に答えられるユーザーは多くない。感覚的には大体分かると答えるユーザーもいるだろう。しかしその「感覚」は本当に正しいだろうか?

まずは法人ネットワークの実態を知ろう

 具体的な数値は、あなたが所属する組織のネットワーク使用状況を実際に調査しないと分からないが、今回は、パロアルトネットワークスが国内60の法人のトラフィックを調査した集計結果を基に、日本法人のネットワーク使用状況をお知らせしたい。この調査はアンケート形式ではなく、実際にパロアルトネットワークスの次世代ファイアウォールをユーザー環境に設置し、トラフィックを調査したものである。その結果、驚くべき実態が見えてきた。

P2Pベースファイル共有で使用率、使用帯域ともにBitTorrentが1位

 P2Pベースのファイル共有では、「BitTorrent」が32%の使用率で一番高かった。使用率2位は「FlashGet」で、3位以降「Gunutella」「Emule」「Xunlei」と続く。Xunleiは中国のP2Pで日本語化されていないにもかかわらず、使用率が5位と高い。BitTorrentは利用法人の1週間の平均容量は3.4Gバイトで、帯域使用率も1位だった。なお今回の調査では、P2Pベースのファイル共有は23種類のアプリケーションが発見されている。

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