『アウトプット大全』書評
『アウトプット大全』という本を読みました。啓発本?ハウツー本?の一つですが、中年が読むとざわざわするくらいおもしろい。若いうちに読んどけばよかった、と思う本です。
アウトプット大全というだけあって、アウトプットの様々な方法が掲載されていました。わたしは、この本の最初の数ページに書かれている「アウトプットの大切さ」について興味をもちました。
成長はアウトプットの量で決まる。
では問題です。
月10冊読むけど1冊もアウトプットしない人と、月3冊しか読まないけれど3冊アウトプットする人ではどちらが成長するでしょうか?
正解は、月3冊しか読まないけれど3冊アウトプットする人です。肝心なのはインプットではなくアウトプットであり、3冊読もうが10冊読もうがアウトプットしなければ同じだよと言います。読んだ本の量はあまり関係がない、ふーん。
わたしはしっかり読んでるから大丈夫だよ、という人に、「本棚にある本を適当に1冊取り出して、その内容を5分で説明してみてください」と筆者は言います。過去の実験では、170万部を超えるベストセラー『嫌われる勇気』を読んだことのある30人に「アドラー心理学とはどんな心理学ですか?」と質問したところ、的確に答えられたのはたったの3人だったとのこと。わたしもこの本読みましたが、覚えていませんね。
アウトプットの量が肝心なのはわかりました。ただ、インプットしなければアウトプットはできません。そのバランスはどうしたらいいのでしょうか?
インプットとアウトプットの黄金比は3:7
まずインプットする、インプットしたらアウトプットする、アウトプットしたらインプットする、これを繰り返すことで成長します。成長にはインプットとアウトプットが必要で、それを繰り返すわけですが、その効果的な割合はと言いますと…。
筆者は心理学者の実験をふまえ、インプットとアウトプットの割合は3:7がいいと主張します。
その心理学者の実験とは、
100人の子どもを集め、9分間でできるだけ多くの人名を暗記するように指示した。100人をいくつかのグループに分けて、覚える時間(インプット時間)と練習時間(アウトプット時間)を指定した。最も高い結果を出したのは、約40%を覚える時間に費やしたグループだった。
「インプットが4割、アウトプットが6割」これが実験から導き出されたインプットとアウトプットの最適比なのですが、これは子どもの場合であって、大人になるにつれ覚える時間、インプット時間はもう少し減らして3割でいいそうです。
書斎にこもって万巻の書を読んでいるけどひとことも発しない人と、ろくに本を読まないけれど、なけなしの知識を使いまわしてうるさくしゃべり回っている人では、後者の方がいいらしい。少しわかるな、それ。
読んだ後、誰かにその内容を話したくなったり、内容を実践してみたくなったりするような「読者にアウトプットさせたくなる本」が凄本と言われる類の本なんでしょう。納得です。今、こうしてわたしもこの本について書いてます。わたしにとってこの本は凄本と言えますね。