米マイクロソフト、スカイプを買収か 米紙報道
【シリコンバレー=岡田信行】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は9日、米マイクロソフト(MS)がインターネット通話大手スカイプ・テクノロジーズ(ルクセンブルク)の買収で最終交渉し、早ければ10日にも買収を発表すると報じた。買収金額は70億ドル(約5600億円)以上となる見通し。MSはスカイプ買収で、業務用ソフトのテレビ会議機能や携帯電話の機能などを拡充していくとみられている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙が関係者の話として伝えたところによると、両社の関係者が9日、買収に向けた大詰めの交渉を行ったという。同紙は破談になる可能性も残っているとしている。
スカイプ買収が実現し、買収額が70億ドルを超えた場合、MSのM&A(合併・買収)としては、2007年に60億ドルで買収したインターネット広告会社アクアンティブを抜いて過去最大の買収案件となる。
スカイプは05年にネット競売大手のイーベイが買収したが、本業との相乗効果が薄いとして09年に分離独立。独自に新規株式公開(IPO)を目指していた。
スカイプは当初、無料ネット電話で成長したが、現在では利用者の通話時間の約4割がテレビ電話などの動画通信。企業向けサービスも拡充しており、IT(情報技術)業界では次の成長分野のカギを握る企業として、米グーグルや米フェイスブックなども提携や買収に関心を示していたとされている。