龍馬の次は一転してオンナが火花を散らす。ＮＨＫ大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」が９日スタートする。織田信長の妹で、上野樹里（２４）演じるヒロイン・江の母、市を演じるのは、１２年ぶりに女優復帰した鈴木保奈美（４４）。撮影現場は新旧女優が演技を競う“戦場”と化している。
美しい黒髪に花柄の打ち掛け。トレンディードラマの名作「東京ラブストーリー」のヒロイン・リカが戦国の美女に変身して戻ってきた。
久々の撮影現場は「最初の１週間は体がついていけなくて、心身ともに疲れてました」というが、共演経験のある信長役の豊川悦司（４８）や豊臣秀吉役の岸谷五朗（４６）が「すごくニコニコして迎えてくれた」と胸をなで下ろす。
注目はなんといっても、娘役の女優陣たちとの競演。淀役の宮沢りえ（３７）は「自由で感性豊か」、初役の水川あさみ（２７）は「天真爛漫で憎めない」、江役の上野は「真面目で純情」とそれぞれの魅力を語り、「現場はまるで女子校の部活のようです」と楽しそうだ。
実生活でも、夫のとんねるず・石橋貴明（４９）との間に、１１歳の長女を頭に３人の娘がいる。
女優業復帰に夫や子供たちは「とっても助けてくれてます」といい、「子供は自分を映すもの。自分のダメなところも映し返される。末っ子をついつい甘やかしてしまうところなんか、どの時代、どの国の母親もそうなんだなあと思う」とほほえむ。
市を演じた女優で真っ先に名前を挙げるのは「おんな太閤記」の夏目雅子さん。放送されたのは３０年も前だが、美しさは今も鮮烈に残る。
「とても私と比べることはできないけど、夏目さんはお若くして亡くなった。信長の妹としての市の印象は強いけど、母としての市は見せていなかったと思う。そこは今回の見どころのひとつです」と張り切る。
「東京ラブストーリー」の大ファンで、「カンチと同じスウェットを着ていた」という屋敷陽太郎チーフプロデューサー（４０）からは「執拗に口説き落とされました」と苦笑する。
「でも、これだけステキな役で、丁寧に何度もお話をいただいて、ムリですと断るのもおこがましい。３人の娘がいるのも実際と一緒ですし、このご縁はつかんだほうがいいと思いました」
母としての経験がどう生きるか。家族的な雰囲気の中にも現場には、緊張感が漂っている。
■すずき・ほなみ １９６６年８月１４日東京生まれ。成城大中退。８４年ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞。９１年の「東京ラブストーリー」などでドラマ女王に。Ｆ１解説者、川井一仁氏との結婚・離婚を経て、９８年とんねるずの石橋貴明と電撃婚。２０００年公開の主演映画「いちげんさん」を最後に女優活動から遠ざかっていた。
