ポータルサイトやITインフラ事業を展開するライブドアは7月21日、日本企業のサーバーを韓国で運用するデータセンター事業を8月から始めると発表した。親会社で韓国ネット大手のNHN(城南市)がソウル市近郊に持つデータセンターを使い、サーバーを預かるホスティングサービスや、日韓拠点を結んだバックアップサービスなどを提供する。

 1ラック分のスペースと電力を実効4kVA(ボルトアンペア)まで提供するホスティングサービスの料金は月額9万円から。同水準のサービスを日本で利用する場合は「月額10万円台半ば~20万円程度になる」(ネットワーク事業部の嶋田健作事業部長)といい、電力料金の安さや円高などを背景にした低料金を訴求する。

 東日本震災後を受け、電力や地震災害の不安が小さい海外データセンターを活用したいという需要も取り込む。韓国の拠点は、ライブドアの国内データセンターと専用のデータ通信回線で接続している。この回線を使ってサーバーやストレージ装置を冗長化するディザスターリカバリー(DR、災害復旧)サービスや、データを定期的に保存するバックアップサービスなども提供する。

 ライブドアは、自社提供しているIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)型のクラウドサービス「EX-CLOUD」でも日韓拠点を組み合わせた分散環境で構築した新メニューを用意する予定。災害に強いクラウドサービスとして打ち出していく考えだ。

 サービスの利用顧客は、大量のサーバーを導入しているNHNの購買力を生かし、韓国に置くサーバーを日本より安価に購入できるという。また運用を代行するフルマネージドホスティングなど付加サービスも用意している。

 韓国NHNは韓国で検索サイト「NAVER」などを展開。2010年5月に、日本法人を通じてライブドアを買収している。