とん汁は肉や野菜に具だくさんで、味噌の味が食欲をそそります。家庭でも大量に煮込んでおけば2、3日は乗り切れる、最高の食べものですよね。
ここ新潟県妙高市では、雪の降る寒い日にも簡単に体を暖められ、栄養を得られる食べものとして、とん汁が名物となり古くから親しまれています。
新潟に移り住んだ私は、今まで食べてきたとん汁の味を覆す、究極のとん汁に出会ったのです。そのお店が、昭和47年創業のとん汁専門店「とん汁 たちばな」。味噌と玉ねぎの味が秀でた究極のとん汁です。
さらにはとん汁が進化を遂げた、"とん汁ラーメン"なるものがあります。とん汁に麺を入れただけのラーメンではありません。絶対に真似できないこだわりの素材を使った、ここでしか食べられない、とん汁ラーメンなのです。
さっそく、とん汁のウマさの秘密に迫ります!
とん汁専門店 とん汁 たちばな
お店は、北陸新幹線の上越妙高駅から車で約10分の場所にあります。このあたりは知らない人はいない、超人気店!
はじめまして。食べることが大好きなライター、ルリ子(@ruricocoa)です。
手に持っているのは家から持ってきた鍋。とん汁たちばなでは、持ち帰り用のとん汁を家庭の鍋に入れてくれるのです。というわけで、今晩のおかずのとん汁を買って帰るぞ、と意気込んでやってまりいました。
まず最初にお話をうかがったのは、2代目店主の森 喜久雄さん。
「一般的なとん汁は、肉や野菜を煮込んで、あとから味付けをするでしょう? でもうちは、先に味噌と塩だけでスープの味を決めるから一発勝負なんですよ。それとうちの材料に合うオリジナルの味噌を使っているから、作り方がわかっても、同じ味は誰にも真似できないんですよ」と、こだわりを熱弁!
店長「この玉ねぎが鍋ひとつに使う量で大体22個ぐらい。全部で17人分だね」
私「こんなに!?」
とん汁の鍋。
どう見ても玉ねぎ使いすぎじゃね!?
店長「これがうちで使っているLサイズの玉ねぎだよ。1杯のとん汁に玉ねぎ約1個半が入ってるんだ」
私「でけぇ……」
玉ねぎの上に豆腐をのせて、蓋を閉めたらしばらくグツグツと煮込みます。
底には味噌と塩で味付けしたスープのベースとバラ肉、玉ねぎ、豆腐と、3層のミルフィーユ状に具材が入っているんです。
この時点では、ほとんどスープがありません。
とん汁たちばなで使っている玉ねぎは、収穫されたばかりの新玉を使うので、北は北海道〜南は佐賀と、その時期によって取り寄せる地域が異なるのだそう。
店長「よし、煮えたよ。鍋をひっくり返すから見ていて」
肉がどっさり出てきた!!
スープも出ているけど、とにかく具が大量!!
さっそく出来たてを食べさせてもらうことにしました。
「とん汁定食」(並盛 950円)
ひとくち食べてみると、甘い玉ねぎの味だけではなく、コクのある味噌のスープが口のなかに広がって、とっても奥深い! 普通のとん汁より味がしょっぱく濃いめだから、白いご飯が進むんです。
今にも溶けそうなとろとろの玉ねぎと、食感が残る玉ねぎが合わさって、食べごたえもある。
これが真のとん汁だ。
とん汁定食のほかにも、こんなユニークなメニューが。
「とん汁 ラーメン ライス小盛セット」(900円)
とん汁ラーメンなんて食べたことある!?
先ほどのとん汁をベースに、にんにくと豚、鶏、鰹出汁を合わせた、とん汁ラーメン。ただとん汁に麺を入れただけじゃない、とん汁のためのラーメンですよ。
うめぇ……。
人はほんとにウマいと、めちゃくちゃ不細工な顔になるんですね。
とん汁ラーメンを頼んだら絶対に試してほしいのは、わざとスープを残して、セットの小盛ライスを投入!!
えいやっ!!
ご飯に染み込んだ、とん汁ラーメンのスープ。
あぁ。もう、幸せ……。
お米は地元で採れた「いのちの壱」というブランドを使っており、特徴でもある大きな米粒はなんとコシヒカリの約1.5倍。お値段は3倍もするとか!
こちらワッキー似の3代目候補、松澤崇さん。
「実はダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんがうちの常連客で、あるとき店に来られないからって、『家までとん汁を送ってほしい』と言われたんですよ」
それ以来用意されたという、とん汁持ち帰り用のタッパー。私のように家から鍋を持っていけばタッパー代が浮いて、さらにお得に買えちゃいます。
さっそく自宅用にとん汁をお持ち帰りにしました。しっかりと蓋が取れないようにゴムを付けてくれるし、サランラップで溢れないように包んでくれて、そのきめ細やかさに感動。
こうして夜と、次の日の朝もめちゃくちゃウマいとん汁をいただきました。
専門店のとん汁を家庭で食べられるって、贅沢すぎませんか?
店内はカウンターとテーブル席があり、ひとりで訪れるお客さんもたくさんいるので、気軽に食べに行けちゃいます。
新潟県外からもわざわざ食べに来る人がいるというほど、超人気店なんです。
ぜひ真のとん汁を味わいに、「とん汁 たちばな」へ行ってみてください!
紹介したお店 とん汁 たちばな
住所:新潟県妙高市栗原2-3-10
電話:0255-72-2450
営業時間:午前10時~午後8時(平日・日祝日とも)
定休日:月曜日(休日の場合は火曜日)
ホームページ:http://tontachi.com/
フリーライター ルリ子
Twitter:https://twitter.com/ruricocoa