環境汚染で米シェブロンに80億ドル支払い命令 エクアドル
【サンパウロ=檀上誠】南米エクアドル東部ラゴアグリオの地方裁判所は14日、油田周辺の環境汚染を巡る訴訟で米石油大手のシェブロンに原告住民への80億ドル(約6700億円)の賠償金支払いを命じる判決を下した。シェブロンは同日「違法な判決だ」として上級裁判所に控訴する方針を発表した。
原告はシェブロンが買収したテキサコが1990年まで油田を操業していた熱帯雨林地帯、ラゴアグリオの先住民ら。米国の弁護士や国際的な環境保護団体の支援をうけ、油田による水質汚染で健康被害が生じたなどと主張し、シェブロンを相手取り、270億ドルの支払いを求めていた。当初は米国で提訴し、係争期間は17年に及んでいた。
この問題ではシェブロンがオランダの国際仲裁裁判所に問題提起し、国際仲裁裁は今月、シェブロンの主張をいれてエクアドルの司法判断の適用を禁じると決定している。このため、シェブロンは今回の地裁判決の効力を認めていない。