「子育ての社会化」のゆくえ : 「保育ママ制度」をめぐる政策・保育者の認識に着目して

書誌事項

タイトル別名
  • The Future of Socialization of Childcare : Transitions in Family Day Care Policies and Recognition of Family Day Care Providers
  • コソダテ ノ シャカイカ ノ ユクエ ホイク ママ セイド オ メグル セイサク ホイクシャ ノ ニンシキ ニ チャクモク シテ

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抄録

「子育ての社会化」とは,家庭での子育てが「外部化」「共同化」されつつ,「社会化」をになう場で再<社会化>される3つの面を有する.本稿は,東京都世田谷区の「保育ママ制度」の分析と保育者へのインタビューを基に,再<社会化>の様相とその帰結を検討した.政策上は「母親」を経験した者のみが従事できる位置づけとともに,「事業主としての仕事」との新たな位置づけもなされてきた.保育者も,「子育ての先輩」「母親代わり」と自分を位置づけつつ,「ボランティアではない」「専門性をもつべき」との認識も発見された.このようにして政策上・保育者の認識上とも「揺れ」ているなか,「保育ママ制度」が子どもや親の育ちに必要な「保育資源」であるとの視点から,その専門性やジェンダー中立的な労働条件・資格要件の見直しが求められる.さもなければ,「地域で・女性が・子どもを育てる」構造(ジェンダー化)の再編の進行が続いていくであろう.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 45 (2), 35-45, 2004-11-30

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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