AI、データ不足6割 「動かない頭脳」続出の恐れ
大手113社の活用状況、日経と「xTECH」が調査
日本の主要企業の6割が人工知能(AI)運用に欠かせないデータ活用で課題を抱えていることが分かった。製品やサービスの開発、事業開拓などAIの用途は新たな分野に広がりつつある。だが必要なデータが不足していたり、データ形式が不ぞろいで使えなかったりと、AIの導入に戸惑う事例も多い。欧米を中心に企業のAI活用が急拡大するなか、「動かないAI」が増え続ければ世界競争に出遅れかねない。
データ資源は21世紀の「新たな石油」といわれる。企業や国の競争力を高め、世界の経済成長の原動力となる。一方、膨大なデータを独占するIT(情報技術)企業への富と力の集中や、人工知能(AI)のデータ分析が人の行動を支配するリスクなど人類が初めて直面する問題も生んだ。
連載企画「データの世紀」とネット社会を巡る一連の調査報道は、大きな可能性と課題をともにはらむデータエコノミーの最前線を追いかけている。