Xperia arcをひかり電話の子機にする

2011年5月23日 06:00
(石野純也)

 Xperia arcが採用するAndroid 2.3は、「インターネット電話(SIP)」と呼ばれる機能をサポートしている。これは、いわゆる回線交換ではないIP電話を利用するためのものだ。NTT東西が提供するひかり電話も方式は同じで、ルータを設定すればLANに接続中のXperia arcで回線を利用できる。簡単に言うと、Xperia arcが自宅の内線電話代わりになるということだ。

 設定方法は次のとおり。まず、ルータ側にXperia arcを登録する。筆者がレンタルしている「RV-S340NE」の場合、設定メニューを開き、「電話設定」の下にある「内線設定」を選択。ここで「編集」をクリックし、内線番号やニックネーム、ユーザID、パスワードなどを決定する。端末属性は「音声専用端末」に、ダイジェスト認証は「行う」にしておこう。内線番号エントリの画面に戻ったら「利用有無」のボックスにチェックを入れ、「設定」ボタンを押せばルータ側の設定はおしまい。注意したいのがユーザIDで、任意のものも何度か試してみたが、内線番号と一致させておかないと発着信ができなかった。

ルータ側の設定画面

 次に、Xperia arcを設定する。「インターネット電話(SIP)」は、「設定」の「通話設定」にある。ここでは「アカウント」を選択し、「アカウントを追加」をタップして先ほどルータ側に登録したIDやパスワードを入力すればよい。サーバー名は、ルータのローカルIPアドレスでOKだ。最後に、「着信を受ける」にチェックをつければ内線として利用可能になる。「通話設定」の「インターネット通話の設定」にある「通話方法」を「常に確認する」にしておけば、発信の際に携帯電話回線とひかり電話回線のどちらを使うか選択できて便利だ。

「通話設定」の中にある「インターネット通話の設定」新規SIPアカウントの設定画面でユーザー名、パスワード、サーバー名などを入力
「着信を受ける」にチェックを入れる通話方法は「常に確認する」を選択しておくとよい

 ただし、SIPの設定が「着信を受ける」になっていると、電池の消費量が多くなってしまう。上記のような設定だと3G回線利用時にはひかり電話用のルータにアクセスできないため、リトライ回数も増え無駄が多い。そこで、アプリを利用して、ホーム画面からワンタッチで設定に飛ぶためのショートカットを置くことにした。筆者が利用したのは「Shorty」という有料アプリ。通常では呼び出せない項目のショートカットを作成できるものだが、同様の機能を持つ無料アプリもあるようだ。このアプリでショートカットを作成したお陰で、外出時だけ「着信を受ける」をオフにするのが手軽になった。

 また、Xperia arcのようなAndroid端末は、基本的にはスリープ状態になると無線LANがオフになってしまう。すると、自動的に3Gで通信してしまい、結果としてルータ内のネットワークから外れてしまうため、着信が受けられなくなる。これを回避するために、無線LANを「電源接続時はスリープにしない」に変更した。

アプリを使ってホーム画面に設定画面へのショートカットを置いた「Wi-Fi設定」の「詳細設定」で、「Wi-Fiのスリープ設定」を「電源接続時はスリープにしない」に変更

 しばらくの間、ひかり電話の発着信にXperia arcを利用しているが、音声の遅延や途切れもほとんどなく、固定電話機の代替になると感じている。固定から固定への電話は、ケータイよりもはるかに通話料が安く、意識的に使えば節約になるはずだ。しかも、この端末にはノイズキャンセル機能が搭載されているため、相手に自分の声がクリアに伝わる。Xperia arcの電話帳からそのまま固定電話を利用できるのも、メリットの1つと言えるだろう。

連絡先をそのまま共有できる。発信時にはどちらの回線を利用するかも選択可能だ