日本レジストリサービス(JPRS)は2012年12月18日、DNS(Domain Name System)の大もとのサーバーである「ルートサーバー」の一つ「D.root-servers.net」(D-root)のIPアドレスが2013年1月から正式に変更されることをアナウンスし、DNSサーバーを運用している企業や組織の管理者に対応を呼びかけた。

 D-rootを管理している米メリーランド大学が現地時間12月14日に事前予告(advance notice)していたもので、IPアドレス(IPv4アドレス)が従来の「128.8.10.90」から「199.7.91.13」に変更される。新しいアドレスは既に利用可能となっているが、2013年1月3日に予定されているルートゾーンの変更終了時点より正式運用が開始されるという。

 なお、変更されるのはIPv4アドレスだけで、IPv6アドレスについては従来の「2001:500:2d::d」が継続して使われる。

 ルートサーバーのIPアドレスは、配下にある全世界のDNSサーバー(自ら反復的問い合わせをするフルリゾルバ)が固定的に持っている重要な情報である。ルート以外のDNSサーバーについてはルートを起点として問い合わせられるが、ルートの情報だけは最初に誰か(管理者)に教えてもらわなければならないからだ。

 具体的に、管理者がDNSサーバーに教える(設定する)ためのルートサーバーに関する情報を記述したファイルが「ルートヒントファイル」である。1月3日の正式運用開始後に内容が更新されるので、DNSサーバーを運用している企業や組織の管理者は、それを待ってから自分が管理しているDNSサーバーのルートヒントファイルを入れ替えればよい。

 D-rootでは、新アドレスの移行後少なくとも6カ月間は旧アドレスでもサービスが継続される予定になっており、1月3日時点で更新しなくても当面のところ実害はない。ただし、最終的に旧アドレスではサービスを終了することもアナウンスされているため、忘れないうちに更新作業をしておいた方がよいだろう。