多くの人が、一週間の疲れを癒すために週末に森の中を歩いたり、日常のストレスから逃れるために公園へ出かけたり、気持ちよく仕事をするためにPCの壁紙を大自然の風景写真にしたりしていますよね。

最近の研究によると、自然の中で時間を過ごしたり、きれいな風景写真を見るだけでも認知機能は向上することがわかったとか。自然の中で過ごす時間をつくることは、あなたが考えているよりも重要なことなのです。

 2008年の『心理科学ジャーナル』に掲載された研究(PDF)で、自然と対話しながら少しの時間を過ごすだけでも認知機能が著しく向上することがわかったそうです。

ミシガン大学の心理学者Mac Berman氏は36人の被験者を2つのグループに分け、厳格な認知機能テストを行いました。両グループともテストの合間に休憩が与えられ、一つのグループには市街地を歩いてもらい、もう一方のグループには森の中を歩いてもらったそうです。結果は予想通り、森の中で休憩したグループのほうが、その後のテストの結果が格段に良かったとのことです。

以前から同じような研究はあり、忙しい街の中や混雑した休憩室よりも、自然の中でリラックスしたほうが心身ともにリフレッシュできることは誰もが知っています。しかし、多くの心理学者たちが指摘しているのは、自然の中で過ごすことがリフレッシュのために重要なだけでなく、知的能力を最高の状態で機能させるためにも重要だ、という事実です。また、同じ研究の続きで、自然の中を歩くかわりに大自然の風景写真を見せて同じ実験を行ったところ、同様の結果が得られたとのこと。

公園でランチを食べたり森の中を散歩することは、リラックスやストレス解消だけでなく、あなたの「知的能力」にも大きな影響を及ぼすようです。「AdBusters」のライターNicholas Carr氏は、この研究から自然環境と人工的な環境の両方と関わる人間の性質について考察していますが、興味深いのは、自然との関わりが人間の知的能力に与える影響でしょう。

皆さんは休憩をとる時に自然のあるところへ行きますか? それとも仲間とリラックスするのが好きですか?

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Alan Henry(原文/訳:伊藤貴之)