The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

コップ、キラー&ドライバー ファースター 怒りの銃弾

新大久保オフ会

 先日はまた上京したいずむ君からお誘いいただいて新大久保の韓国料理店において映画ブロガーの方々とミリタリーな雰囲気の中、辛い料理をつまんだのであった。メンバーはいずむ君ストロツェックさん暗黒皇帝閣下皇后ぱせよさん、ナマニクさん、ちゃとらんさん、そしてお初にお目にかかる侍功夫さん、ダーク・ディグラーさん、テルミンわち子さん。詳しくはほかの方の詳細を読んでいただくとして(例によって他力本願)、個人的には暗黒皇帝閣下と皇后の馴れ初めの話が聞けたのが良かったです!*1
 

ファースター 怒りの銃弾

 さて、本題。ロック様ことドゥエイン・ジョンソン主演の復讐アクション「ファースター 怒りの銃弾」を鑑賞。ロック様は最近本格的にWWEに復帰したようで目標は来年の「レッスルマニア」でのジョン・シナとのシングルマッチか。さすがにタイトルに絡むことはないとは思うけど。そのせいか一時は目に見えて細く(それでも一般人に比べれば十分筋肉隆々)なっていたのだけれど、また身体を大きくしたようだ。ただ、劇映画では完全にWWEの手を離れたようで数年前から芸名もザ・ロックから本名のドゥエイン・ジョンソン(ザ・ロックの呼称の元になったロッキー・メイビアというリングネームはやはり名レスラーだった祖父”ハイチーフ”ピーター・メイビアと父ロッキー・ジョンソンからとったもの)で出ている。ただ、当ブログでは以降もロック様で通します! 

物語

  • ドライバー

 10年の刑期を終え出所する男がいた。彼は強盗グループの運転担当ドライバー。一度死んで甦った男。強盗に成功したところを何者かに襲われ仲間と兄を殺され自分も殺されたのだ。出所した彼は早速復讐に燃える。

  • キラー

 男はスリルを求めていた。人生に成功し美しい愛する恋人いて色々な物にチャレンジしてはことごとく制覇してきた。そんな彼の充足を満たすのは殺し。彼は殺し屋として高見を目指していた。今日も殺しの依頼を受ける。しかしそのターゲットは今までとは違っていた。「奴はオレより上手い(ファスター)!」

  • コップ

 退職を控えたジャンキーな刑事。彼は署内で煙たがられていたがとある事件を女刑事シセロとともに担当する。別居中の元情報屋の女房と息子とも会いながら彼の「勘」は目標の元に辿り着く・・・

 ロック様を含め主要3人には役名がない。それぞれ「ドライバー」「キラー」「コップ」と役柄だけが与えられる。ロック様は凄腕の運転手。仲の良い兄の率いる強盗団に運転手として志願、パトカーをスゴい勢いで撒く。ちなみにロック様の次の作品は「ワイルド・スピード MEGA MAX」。似たような肌を持ちどんな人種でも演じられる、という意味で共通してるヴィン・ディーゼルとの共演だ。
 今回のロック様は腕力に頼ったアクションというより車の運転やガンアクションがメイン。口数も少ないのでコレだけ見てロック様が元(現か?)レスラーだということを知ると「ははーん。芝居が下手だからなるべく台詞を少なくしてるんだな」などと思うかもしれないが本来ロック様はしゃべくりが超上手い。その軽妙洒脱な喋りはプロレスにおいても新時代を切り開いたほどだ。また、ただ、喋るだけでなく時折、ぐっと黙る。何秒も沈黙を作りその間ファンの「ロッキー!」コールに身を任せるのだ。そんなロック様だから今回口数が少なくてもそれは演技がつたないからでは決してない。むしろ口数が少なくてもドライバーの感情をきちんと表現しているロック様はすごい。
 ロック様の殺しはとにかく正面から突き進んで説明とか一切せず無言で殺す、という形で無骨に復讐を進めていくのだがそれがまた有無を言わせぬ迫力を出している。後述のキラーがその迫力に気おされてライバル視してしまうのも分かる。
 今回ロック様の左肩には文様っぽいタトゥーがしてあるがこれはロック様自前のものでサモアの伝統に則ったもの。右上腕にはロック様のシンボル「ブラマ・ブル(聖なる雄牛)」のタトゥーもそのまま入っている。左腕の彼が一度死んで甦った(それゆえにゴーストとも呼ばれ刑務所関係では恐れられている)証であるバーコード状のタトゥーは映画用のものだと思われる。途中出てくる元UFCチャンプのサモア人がこのタトゥーを見て恐れをなして逃げてしまうシーンは色々な意味に取れて面白い。
 
 ロック様のライバルにあたる殺し屋・キラーは劇中の手がかりから察するに(この映画いい意味で説明台詞が少なくて色々類推するしかない)子供の頃病気か事故で脚に重大な障害を負っていたが克服しその後IT関連の起業で成功し、その会社を売って一財産つくり、その後登山等難度の高い趣味でことごとく制覇するものの物足りないので破格の値段で殺しを請け負っている、というキャラ。これを演じているのがオリヴァー・ジャクソン=コーエンという人なのだが、ゴメンナサイ!最初から最後までずっとジェイク・ギレンホールだと思ってました。だって似てるんだもん。
 

 で、似てるといえばドライバーの最初の標的がコップことビリー・ボブ・ソーントンにそっくりなのでこれまた変な誤解をしてしまったのだった。この標的は別人なのだが妙に似てるため勝手に「真の標的はビリー・ボブで、この人は間違えられたそっくりさんに違いない」とか連想してしまった。
 ビリー・ボブの腕にはかつてやんちゃ(ジャンキーだったり色々)だったことを示す刺青があるのだがこれは自前のものでかつてアンジェリーナ・ジョリーと付き合っていた頃にその証として彫ったものだそうだ。ただ、このシーン(刺青について語るシーン)で本来重要なのは女刑事シセロ(カーラ・グギーノ。「ウィッチ・マウンテン」でもロック様と共演してた)が腕の注射痕に気付いて今でも覚せい剤をやっているのでは?という疑問を先に刺青の話題をして話をそらしているということだ。コップは型どおりの悪徳警官ではないが善玉でもない。子供のトミーは可愛いけどね。
 
 キラーの仕事用着信音が「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」のオープニングテーマでドライバー、キラー、コップの3人の3すくみの関係も似ている。実際かなり「続・夕陽のガンマン」を研究しているようだ。乾いた映像など西部劇の雰囲気を漂わせている。
 100分弱の上映時間で説明台詞も少ないのに主要人物3人のドラマを上手く詰め込んでいる佳作だと思う。個人的に実は一番の悪者ってムーン・ブラッドグッド(「T4」とかに出てた)ではないかと思うのだが・・・

The Good, the Bad and the Ugly

The Good, the Bad and the Ugly

 あ、そうそう。ジョン・シナがロック様の域に達するにはアティテュード・アジャストメント(F-U)(変形ボディスラム)をつなぎにしてファイブ・ナックル・シャッフル(色々もったいぶった挙句のただのフィスト・ドロップ)を決め技にするぐらいじゃないとダメだと思う。未だにピープルズ・エルボーが「スポーツエンターテインメント界最高の技」だよ!

*1:オフ会レポだけリンクしました