職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

パラレルキャリア生活へ(a.k.a. 退職エントリ)

2013年10月から勤めていた会社を2017年7月で退職しました。無職なのは一瞬だけで、8月からは仕事をします。えらい!(褒めて!!)


今までやっていたこと

SVGで絵を描いたり、PDFを作ったり、ちょっとだけPostScriptを書いたりしていました。あとはPHPでWebアプリを作ったり、Objective-CMacアプリをちょっとだけ触ったりしました。そういうサーバ管理者でした。(文字通りのパラレルな感じはしますが、表題の話はもうちょっと下の方で。)

辞める前の生活

よほどブラックな企業だったりストイックな企業でない限りは、退職前に有休休暇を消化するのが一般的だと思います。今回退職した会社も運用はブラックではなく、一般的なものでした。しかし、以下の理由から、自分は「連続した」有給休暇を取得せずに、5月下旬からほぼずっと 午前中休み という生活(有給休暇は0.5日分ずつ消化)を送っていました。

  • サーバ管理者という役割の都合上、万が一引き継ぎ漏れがあったら大変なので、自分抜きでの運用を実際にやってみて、伝え漏れが無いかを確認したかったから。(伝え漏れやドキュメント作成忘れが絶対に無いと言えるほど記憶力良くないんで…)
  • 自分は旅行や病気以外で連続した休暇を取ると、3連休であっても社会復帰不可能になってしまうから。(社会不適合者ですので…)
  • 短時間勤務、または昼出社の22時退社だと、集中力の高まりが凄いから。(社会不適合者ですので…)

結果的に、約2ヶ月間の午前中休暇はこれらの意図を満足させるものとなりましたし、これらの特性は会社にとってもメリットのある話、だったはずです。

一方で、この運用にもデメリットが無い訳ではありません。代表的なデメリットとして、オフィスが手狭になっているような会社であれば、ほとんど休んでるような人間の席を長期間確保し続けなければならないというものが挙げられます。あとは、会社や近しい同僚と喧嘩して辞めるとか、そういう状況では険悪な雰囲気が増していくでしょう。幸いなことに、どちらのデメリットもこうむること無く、運用できました。これは近しい同僚や上司たちに、本当に感謝。

今後は何をするのか?

複数の仕事をします。これまでも自分で立ち上げた会社の仕事も副業としてこなしてきましたが、今後は少し比率が変わります。
今までは平日は普通に本業の会社で働き、週末に自分の会社の仕事と音楽活動をする、といった生活でした。今後は、本業(勤め先)の仕事は普通のフルタイム労働者の半分程度として、残りを自分の会社の仕事に割り当てます。
俗に言うパラレルキャリアな度合いが強まる形になります。
それぞれ1つずつの仕事の時間は短めになりますが、手を抜いたりする訳ではなく、当然ながら本気で取り組んでいきます。短い時間で集中して仕事をすることによる良い効果も期待できます。朝の通勤ラッシュを避けた仕事の仕方だって普通にできます。

複数の仕事を持つということ

仕事を複数持つと、何らかの事情でどれかの収入が途絶えても生き延びることができるようになります。これは労働者側のメリットです。守旧的な仕事と先進的な仕事の両方に就くことで精神的な安定を図ったりすることだってできます。
他の産業でも似た傾向のあるところはあるかもしれませんが、情報処理産業の話をすると、昨今では技術の細分化・分業化・高度化が進んできています。高度化するということは報酬も増額しなければなりません。しかし、雇う側からすれば、高度な技術を持った人間をフルタイムで雇用するほど、高度な仕事が常時たくさんある保証も無く、フルタイムで雇用すると、その高度な技術を持った人間に誰でもできる仕事をさせる状況が発生しやすくなります。そういう無駄を省くためにも、雇う側としては、高度な人材をパートタイムで雇用したい、という状況は今後ますます増えていくのではないかと睨んでいます。予算が潤沢にある訳じゃないけども腕の立つ技術者が必要!とか思っているスタートアップ企業などなら、尚更です。

自分個人は学術的に見ればさほど高度なことをやっている訳ではありませんが、取り扱っている技術がレア(持ってる技術の単体はレアじゃないけど、組み合わせがレア)なものであるから、高度な技術者と同じようにパートタイム雇用する方が会社にとってもメリットがあるでしょう。

働き方改革

最近、働き方改革という言葉をよく耳にします。これから自分が進めていこうとする働き方・雇い方も、今後は手法の一つとして促進されていくのだろうと思います。
しかし、複数の場所で働こうとする上で障害になるのは、自分にとっては社会保険まわりの制度設計でした。例えば日本年金機構では複数の事業所に雇用されるようになったときの手続きは用意されていますが、運用ルールを見る限りではどう考えても後から慌てて付け足した緊急回避的なルールであり、制度設計の根本には、人間が複数の仕事に就くことなど有り得ないという認識が垣間見えます。複数の箇所から給料を得ることに対して、事務手続き的なハードルが高めなのです。
政府や国会の皆さんは、ぜひ年金や健康保険あたりの制度設計を見直すところから着手して頂ければと思います(あ、でもマイナンバーみたいな検討不足な稚拙な制度が出来上がって、一箇所に勤める人にとっては比較的まともと言える健康保険制度までゴミになってしまったら、日本から出ていくからね!)。
通勤時の事故などの労働災害に巻き込まれたときの補償に関するしくみも同様ですね。労災のとき、災害の内容にもよりますが、その補償額はどこか1箇所の勤め先からの報酬額に応じたものになるんです。パートタイム仕事だと当然低額になります。
(もしももう制度設計まともになりつつあるよ!というのなら自分の見落としかもしれませんので、コメント等頂ければ幸いです)

その一方で、所得税まわりは、政府にとっても適切に納税しようとする個人にとっても、よくできた仕組みになっていると思います(異論は認める)。

さいごに

ありがとう、そして今後ともヨロシク。