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社内いじめ、まずは3カ月だけガマンして

昭和女子大学特命教授 福沢恵子

詳しくはこちら
 いじめは、自分に落ち度がなくても巻き込まれることが多いものです。前回は社内いじめの予防法を紹介しましたが、今回は実際に社内いじめが始まってしまった場合の対処法を考えます。
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【事例】 パワハラに悩む正社員Aさんの場合
 大手企業の正社員Aさん(事務職)は、部長からのいじめを経験しました。指示された仕事をこなすと、「勝手にやった!」と怒鳴られたり、理不尽な扱いばかり。
 人事異動で部署が変わったあとも、前の部長が「Aさんは使えない」というウソの情報を異動先の部長に引き継いだため、状況が改善せず、Aさんは参っています。
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理不尽ないじめに耐え、冷静に対応しているAさんは、部長の「使えない」というレッテルとは真逆の「デキる」社員のように思えますが、理不尽な思いをさせられているわけですね。このような場合、どうすればいいのでしょうか?

パワハラは、不当な扱いをなかなか告発できず、悔しい思いが強いもの。でも、感情にまかせて「辛かった」「酷かった」と言っても何も始まりません。ここで大切なのは、しかるべき相手に冷静に事実を知らせ、「自分はどうしたいか」を伝えること。感情を吐き出せばその時はすっきりするかもしれませんが、あとあと信用を失ったり、「面倒な奴」と疎まれかねません。

Aさんの場合はまず、新しい部長に「どのようにお聞きおよびかわかりませんが、実態はこうでした」と説明はしっかりした上で、しばらく様子を見るのがよさそうです。今まで言えなかったことを話すとなるとついつい感情が高ぶりがちですから、要点をメモし、簡潔に分かりやすく説明することが重要です。できれば事前にリハーサルもしておきましょう。これだけでずいぶん違います。

いじめの相談窓口を知っておく

いじめを誰かに相談したくても、行動を起こすのには勇気がいります。人事部や上司に訴えることで「かえって居づらくなったら……」という不安があったり、「これって本当にいじめ?」と、確信がもてないこともあったり。

実際、上司には上司の事情があって、「会社から人員整理を指示されたが、部下になかなか話を切り出せない。居心地を悪くすれば辞めてくれるんじゃないだろうか……」といった理由を抱えていたりすることもあります。職位に関わらず、サラリーマンはたいてい人間関係のストレスを抱えています。

窮地に陥ってから思いつきで行動するのは危険ですから、この機会にぜひ、いじめの相談窓口にどんなものがあるか調べてみましょう。

大きな組織ならばEAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム。従業員のメンタルヘルスケアをサポートしてくれる外部の委託機関)を利用している場合もありますし、人事部に社内いじめ問題を扱う窓口を用意している会社もあります。就業規則や、会社のサイトの組織図などを見ればすぐにわかると思います。

公的な労働相談も、調べてみるといろいろあります。都道府県や市区町村にも労働組合(会社に労組がない場合も、個人加入できる労組があります)にも、電話やネット、面談を通じての相談窓口が用意されています。

対応策がいろいろあることを知っていれば、いざというときも余裕をもって対処できますし、悩んでいる知り合いがいれば「こんな窓口があるよ」とアドバイスもできます。

とりあえず3カ月

Aさんの場合は「正社員」というのも大きなポイントです。今の社会情勢では、正社員というポジションは貴重。簡単に会社を辞めてはもったいないです! 「正社員」は法律に守られた強い立場ですから、自分から退職する以外に何かよい方法がないか探ってみてください。

それに、組織は流動的で人間関係も変化します。いじめの渦中ではなかなか難しいかもしれませんが、「この状態はずっとは続かない」と自分に言い聞かせましょう。

「とりあえず3カ月」が目安ではないでしょうか。1カ月では大きな変化は期待できませんが、3カ月なら、たとえば上司が異動したり、助けてくれる同僚が現れたり、周囲にも自分にも変化が起こるかもしれませんから。

「会社を一歩出たら、仕事のことは忘れる」というスタンスも大切ですね。基本的に組織がからむ問題はすぐには解決しないものなので、長期戦に耐えられるよう、趣味をもったり、仕事以外のつきあいができる仲間をつくったり、窮地にあっても「あと1日」を持ちこたえられるような気分転換の手段を持つことをおすすめします。

また、いじめの問題には安易に家族や友人を巻き込まないほうがいいでしょう。「家族や友達にこそ愚痴や泣きごとを言ってもいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、むしろこれは逆です。これをやってしまうと、プライベートな時間までいじめに塗りつぶされてしまいます。どうしても状況を説明するとしたら、ごくごくあっさりと簡潔に伝え、職場を離れたら心身ともにいじめから離れられるようにしておくのが賢明なのです。

自分の家族や友達がいじめで悩んでいる場合も、相手が言い出さない限り、こちらからその問題には触れないであげてください(もし、「話を聞いてほしい」と言われたらその時はじっくり耳を傾ける姿勢は持つべきですが)。友達なら「お茶でも飲みに行かない?」「映画見に行かない?」と誘い出す。家族ならおいしい食事を用意してお風呂を沸かしておく。それだけで、いじめの当事者は十分救われるはずです。

心も身体も「あと3カ月」が耐えられなくなったら? 会社に行く意欲もなってしまったら? ――そこまで追い詰められてしまった場合は、迷わず心療内科か精神科へ。おそらく自律神経失調症やうつ病など「休養が必要」という診断が出るはずですから、仕事を休んでエネルギーを蓄えることを考えてもいいでしょう。いざとなったらこんな緊急避難もあると知っておくだけでも、少しは気が楽になるのではないでしょうか。

~「負けない組」の心得~
正社員なら簡単に辞めてはダメ。上手に気分転換しながら、「あと3カ月」を目標に!

(次回は8月1日に掲載予定)

福沢恵子(ふくざわ・けいこ)
ジャーナリスト・昭和女子大学特命教授。1983年早稲田大学政治経済学部卒。在学中に女子学生の作る就職情報誌「私たちの就職手帖」を創刊、初代編集長を務める。卒業後、朝日新聞記者を経て1990年にフリーランスのジャーナリストとして独立。「女性と仕事」を中心テーマに、就職、起業、人材開発などについての執筆や講演を行う。専門はキャリア開発論、ジェンダー論、メディアリテラシー

(構成 橋中佐和)

[nikkei WOMAN Online 2012年4月17日掲載]

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