パナソニックモバイルコミュニケーションズの脇治社長
パナソニックモバイルコミュニケーションズの脇治社長
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 パナソニックモバイルコミュニケーションズの脇治社長は、2010年11月16日に開かれた同社製品説明会で「2011年前半をめどに、当社もスマートフォン市場に本格参入したい」と表明。この分野で後れを取っていた同社が市場参入を明確にしたことで、来年以降、メーカー同士の“スマートフォン戦争”は一段と激しさを増しそうだ。

 脇社長は、スマートフォン市場への参入が遅れた理由について「正直言って、これほど早くスマートフォンが普及するとは思わなかった。また、Android OSが主流になるのを見極めるまで時間がかかったのも事実」と率直に認めた上で「方針が定まった以上、今後は全力を挙げて先行他社をキャッチアップしたい」と明言。2011年上期にAndroid OS搭載のスマートフォンを国内向けに発売するととともに、2012年には海外でのスマートフォンの販売を開始する方針を示した。

 スマートフォンは、携帯電話にパソコンや携帯情報端末の機能が備わったもの。2008年、米アップルのiPhoneが火付け役となって日本のユーザーにも浸透し始め、さらに2010年末には東芝やシャープの製品が発売される予定で、一気に市場が広がる兆しをみせている。MM総研の調査によれば、2013年には国内のスマートフォン販売台数は全体の4割を超えると予想されており、ジリ貧傾向にあった携帯電話市場の“救世主”的な存在になりつつある。

 そんな状況にもかかわらず、パナソニックグループはいまだにスマートフォンの商品化に至っていない。今回の記者会見は、その遅れを挽回するとともに、国内と海外の両面で市場を拡大する意図を明確にしたもの。脇社長は「2015年には国内・海外を合わせて、1500万台のスマートフォンを販売したい。そのためには、初心者でも無理なく導入できるような使いやすさを追求するとともに、パナソニックグループのAV製品と連携させることで他社と差別化を図っていきたい」と話している。