とあるジャンルの衰退論

某知人にTwitterで「あれ? 気楽に更新するって言ってなかったっけ?」と皮肉られたので意地になって更新をしようと思う。
久しぶりに話題をリアルタイムで追っていた例のニコマス衰退論。以前は数ヶ月にいっぺんくらい来てたと思うのだけど、今回はかなり久しぶり? や、ついこないだTwitterでやたらと盛り上がっていたアイマス敷居話*1も似たようなものだとは思いますが、今回は完全にニコニコ動画中心の話ですね。

発端はここ。かなりベテランのアイマス動画投稿者である哀れな小羊Pが「なぜニコマスは衰退したのか?」を「強いヒエラルキー構造」「ホモソーシャルの性質」「外部の視点の欠如」の三点が原因なのではないか、と分析しておられます。そして、こういう話題の常としていくつかのブログ、記事コメント、そしてTwitterに大量の反応が集まっているようです。


話題を見た何人かの知り合いから「え? ニコマスってそんな衰退してるの?」ってな質問が飛んできたりもしてたので僕の意見も述べておくと、べつに面白い新作動画がまるであがってこないって状況ではないけど、まあ一番盛り上がってる時期に比べりゃそりゃ縮小はしてるよねーって感じ。
これに関してはゲーム本編やコミュニティの問題の他にもいろいろ原因があって、一番大きいのはニコニコ動画ってサイト自体の規模の拡大でしょう。アイマス以外のジャンルが育ちまくってるので、相対的に元のアイマスだらけ*2だったニコニコ初期に比べてより小さくなったように見える。公式で新作アニメ本編配信とかそりゃもう、強い強い。
小羊さんの説もあるあるとは思うのですが、彼が指摘してるのってわりと元からそうだった部分が多いので、ぶっちゃけそんなんより外部要因のほうがでかいんじゃないかなあと。


まあ、衰退の要因がどうこう以前に個人的な好き嫌いの話をさしていただくと、あまりヒエラルキーとか内輪受けが強すぎるノリはしんどいので、そこに文句言いたくなる気持ちはわかるってのはあるんですけど。
オンラインオフライン問わず「あの有名な『見る専ブロガー』の敷居さんですねっ!」「いや……僕好きな動画紹介してるだけなんで……そのー、そういうのちょっと」みたいなやりとり何度やったことか。「『頂点P』の○○さんですね! 『底辺』の○○です!」って言われて苦笑いしてた人のほうが僕よりよっぽどかわいそうだけど。ほとんどは悪気ない冗談なんだろうけど、悪気なくてもなーそりゃちと不健全だよーやめようぜー、とはずっと思ってた。
……いかんいかん、個人的な愚痴になってしまった。いや、もちろん全部が全部そういうわけじゃなく、基本的には同じジャンル好き同士楽しくやろうぜってノリなんですけどね。


で、問題はそこでして。全く無いってわけじゃないんですが、最近どーもニコマスで「楽しくやってる」姿が目に入りにくくなってるってのはどうも僕としても知り合い連中から聞く印象としても一致してるようで。目いっぱい楽しそうにしてたら、内輪受けだろうがなんだろうが人って引き寄せられてくるもんだし、僕としても「ここでこんな楽しそうなことやってますよー!」って叫びやすくなるんですが。
話題になるのが「いかに衰退を止めるか」ってなんかもうその時点で負け戦くさいじゃないすかーやだー。「いかに盛り上がるか」「いかに楽しくやるか」ならわかるんだけど。
うーむ……規模の縮小はそりゃある程度仕方ないとして、「楽しそうにやってる」姿が見えにくくなってるってのはこれ、仕方ないことなのかなあ。


記事そのものに対する反応としては、

ここの意見とか面白いですね。特にこのへん。

■二次創作というもので、ここまで外向きだなんだの意見を見かける界隈って覚えがない。おおよそ内輪受けの極致みたいなもんだぜ。なのになぜ? となるとまあ、2007年にプロのお遊びの舞台にたまたまなったことが影響してんのかなあと思ってて。それによって界隈が得たものは実に大きかったが、超人がそうしていたことを界隈かくあるべしみたいに考えちゃったら、そりゃ普通に二次創作してる人らが馴れ合い野郎に映っちゃうよなあ、基準がそもそも高すぎるんだから。

確かに二次創作コミュニティにしてはやったらと上昇志向が強いってのはニコマスの特徴的なとこですが、比べる対象がアレすぎたってのはその一つの理由になるんでしょう。映像に限らず、創作系の各分野のプロが趣味で手を出してるケースってのがみょ〜に多いんですよねアイマス系の動画って。*3


あとこちら。

 逆にコミュニティの明日がとか未来がとか言わず「いや俺アイマス好きなんで」人は大体批判に対しても鷹揚に構えていて「まぁそういう意見もあらぁな」という感じ。
 実際「作りたいから作る」人は評価がなくても作品を作るのだ。褒められたい人はその技術をもって別ジャンルへ移動したりする。
 個人的にニコマスの衰退論を唱えて不安がっているかメイン層は「見る専」と言う人たちではないだろうか。
 彼らは生産しない。生産されたものを評価していく生き物であるが故に、コミュニティの衰退は彼らがあーだこーだと感想をしゃべりあい「良い考察ですね」と褒めあう場所の衰退に繋がるのである。だから彼らは新規の獲得を試みようとするわけでね。

ニコマス衰退論がどうとかこうとか - 百合と向日葵の花束を

ブックマークでも突っ込んだし僕はブロガーなので我ながらかなりポジショントーク臭いとは思うのですが、こういう場合によく出る「製作者側は鷹揚にかまえていて騒いでいるのは云々」ってのは少なくともニコニコ動画のような裾野が広い個人創作の場ではあまり通用しないというのが僕の実感。皆さん超気にされてます。実際動画投稿者自身からコミュニティの明日が未来がどうこうって話直接聞いた経験ならアホほどあるしなあ。気にしない人はぜんぜん気にしないけど。
僕の見えてる景色が偏ってるってセンはなきにしもあらず。


正直言うと、僕がこの手の話題見るたびに反射的に突っ込み入れたくなるのって記事そのものよりも周りの反応のほうなんですよね。
ほら、「喧嘩売られた」「砂かけられた」って怒る人たくさんいるじゃないですか。下手すりゃ論旨に対する反応よりもそっちのほうが多いくらいで、名無しコメントで「お前の偉そうな態度が気に入らない」とか書かれてるの見ると、おめーの態度のほうが偉そうだし気に入らないっちゅーねん! と突っ込み入れたくてしょうがなくなってきます。書かれてる内容が気に入らないなら文句言うのは自由だけど、罵倒投げて去っていいってそれどこの世紀末さ。
そんな論外は無視するにしても、内容に対しての反応があまりにも少なく「こういうことを書く行為はいかがなものか」みたいないかにもムラ社会な反応が多かったりすると、えーちょっと勘弁してよどんびきだわーと思わずにはいられません。僕だけじゃなくて、実際あまり詳しい事情知らない人が見たら、記事そのものよりそっちにどんびきになると思いません?

*1:僕とは関係無いよ!

*2:いやほんと、興味ない人にうざがられるほどニコニコの新規投稿がアイマスで埋め尽くされてる時期とかあったからねー

*3:や、僕が詳しくないだけで他のジャンルにもそこそこ混じっているんでしょうが。