今年も残すところあと2週間少々となった。本連載は再来週も更新を予定しているが、その頃にはすでに休暇に入っている方もいるかもしれない。

 そして年が明けると、1月早々には米国ラスベガスでコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が、また2月末にはスペイン・バルセロナでモバイル・ワールド・コングレス(MWC)が開催され、新たな製品が続々発表される。

 そこで今回と次回(再来週更新予定)で、2013年のモバイル分野の展望を占ってみよう。

スマートフォンは
ハイエンドとローエンドに二極化する

 2012年も数多くの端末が発表された。特にアップルのiPhone5は、買い換えを待ち望んでいた人たちはもちろん、これからiPhoneを使い始めようとする人たちの取り込みにも、ある程度成功しているようだ。

 また日本では、KDDIとソフトバンクモバイルの二者間で、iPhone需要を争奪せんとする火花が、いま現在も散っている最中である。KDDI側の予想以上の攻勢を受けて、以前からずっと燻っていたイーアクセス(イーモバイル)買収に踏み切ったことからも分かるように、ソフトバンクのお尻にも火がついた格好だ。

 では、2013年はどうなるのだろうか。

 一つは、iPhone5やSamsung GALAXY S IIIなど、高性能スマートフォンの、さらなる性能向上が予想される。SamsungもCESで新たな端末を発表するようだし、4Kクオリティの描画能力を有するiPhone5Sが来夏に登場するという噂が、すでに一部では流れはじめている。またHTC等も春先に新製品を投入するようだ。

 こうした製品は、すでにスマートフォンを従前から使いこなしている人たちの、飽くなき欲求に応えるものとして、提供されることになる。要は、世界中のスマートフォン・マニアに向けた製品だ、ということだ。そう考えると、付加価値は大きく見込めるものの、出荷台数の絶対的な規模という観点では、そう大きくはない。