ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

IVS飲み会、そしてIVS Checker

先日、IVS飲み会という、大変に濃い飲み会に参加してきました。

そもそもの発端は、ここのブログで「(IVSについてもうちょっと教えて欲しいから)もう一回飲みません?」と、NAOIさんに呼びかけた事から。

その呼びかけに、NAOIさんがTwitterで「やりますか」と、応答。


「やりましょう、やりましょう」ってことで「IVS(を素人に教える)飲み会」の開催が決定。
この時点では、せいぜい3、4人程度の気軽な「IVS(を素人に教える)飲み会」のつもりだったのだけど、

やるなら参加するぜ!

と、参加者が増え、


最終的な参加者。

@monokano@ogwata@akatsuki_pocket@assause@bunzo78@KAN0U@kawabata @koikekaisho@moji_memo@ragged_right@hatchgogo@akane_neko

これ、わかる人にはわかるけど、もう素人に教えるというような布陣じゃない。


例えて言うなら「キャッチボールの仕方教えて」と知り合いのプロ野球解説者に頼んだら、現役プロ野球選手とか、野球専門誌の記者とか、野球用品メーカーの製品開発者とか、果てはメジャーリーグコミッショナーまで揃っちゃったというレベル。


もう、「IVS(を素人に教える)飲み会」とかいう段階じゃないよ!ガチの「IVS(でとことんいくぜ)飲み会」だよ!


このメンツの中で「ボールってどうやって握るんですか?」レベルの質問をするつもりの私。いいのか私。
ドキドキしながら迎えた、IVS飲み会当日。
ゆっくり話ができるようにと、個室のある居酒屋を予約していたのだけど、現地に行ってみたら「本日は店を貸し切りとさせていただきました」とまさかの貸し切り対応!店全体がリングだ!さあみんな好きなだけやるがいい!響き渡るゴング!



そして6時間経過。




いやーーーーー…もう、すっっっっっっごかった…。



5時からスタートなんだよ?閉店11時なんだよ?
お店の人に「もう閉店ですので…」でタオルなげこまれるまでノンストップだよ。6時間、文字の話しかしてねぇ…!

肝心のその話の中身についていろんな方から「レポートしてください」って言われてたけど

ごめん、濃すぎて書けないわ(笑)


詳しい内容については書けないんだけど、当日、NAOIさんから発表してもらった(飲み会なのに発表があったんだぜ…)IVSについての発表レジュメだけのせとこう。

IVSへの期待

  • きちんとした構造(親字の包摂範囲を逸脱しない)
  • 互換幹事の再整理(Unicode正規化の影響からもフリー)
  • CMapの違いを吸収できる可能性
  • GUBワールドにおける混乱を整理できる可能性
  • AppleAdobeの断絶をなくす(書き手が異体字を制御できる)

運用とInDesignなどの実装

  • 非対応フォントの問題(IVSの仕様)
  • 基底文字とVSの間にカーソルが入る(InDesign
  • モノルビ問題(InDesign
  • 合成フォント問題(InDesign
  • Illustratorにおける実装は?
  • Acrobat9 ProのフォームにおけるIVSパレット
  • ものかのさんのIVS Checker

UTS#37の改訂をめぐる話題

  • AJ1と汎用電子は(どのように)統合されるのか
  • 「複数の例示グリフ」のゆくえ

その他

  • IVSの制定までの経緯など
  • 汎用電子の問題

こういった発表がNAOIさんからあって、その発表に対してディスカッション(と、言っていいのかあれは…)して、あっという間に話はどんどんどんどん拡大していって、とてもここでは書ききれないわけだ。



そして、この飲み会のもう一つの成果物。

ものかのさんの「IVS Checker」

これ、もともとは「テキスト上のIVSをチェックできるツールがほしいよね」って話に、ものかのさんが応えて「じゃ、つくりましょう」ってなんと1週間ぐらいで作ってしまったもの。
テキストにIVSが含まれているかどうかの確認だけでなく、グリフの確認、コードポイントの確認、グリフやコードでのVSテキスト入力ができちゃうというツールになっている。

これがメイン画面。テキストにIVSが含まれているかを「IVS検出」することで、IVSの含まれている文字とそのコードを一覧表示。


▲左側の表示がチェックしているテキスト、右側にIVSのコード一覧


その文字に対して、どんなグリフがあるかを一覧表示するグリフパレット

▲選択したグリフのコードも表示。汎用電子のグリフはグレー表示される。


選択した文字のコードやVSが確認できたり、逆にコードからIVS文字を入力できたりと

▲コードからVSの入力もできる。


すごい!

もちろんグリフの表示については、表示に指定しているフォントがそのグリフを持っていないと表示できないし、今の時点でAdobeJapan1と汎用電子、両方に完全対応しているフォントなんてないので「すべてのIVDコレクションのグリフが一覧!」ってわけにはいかないんだけど、それでも簡単に、IVSのチェックとか入力ができるのは面白い!

まだ一般公開はされてないみたいなんだけど、いずれものかのさんのサイトで公開されるかな?ものかのさんのサイトで開発版が公開されています。


そんなこんなで6時間。あっっっという間でございました。
素人質問ばかりを繰り出す私に丁寧に答えてくださった皆様ありがとうございました。色々教えてもらえて、すんごく、面白かった!大満足!
いや、もしかして私がいなければ、もっとハイレベルの議論の場になってたんじゃないかと思うんですけど(笑)…すんません。
とにかく、活発な議論をしつつも、けんかにならず、和気藹々と、すごく楽しい飲み会だったのでした。

当日の感想、小形さんのツイート

ほんとにそう思う。