「性能不足フェリー」売りつけた韓国企業に軍配! 大甘取引の新潟県3セク子会社が大損失

 新潟県が筆頭株主の第3セクター、新潟国際海運(新潟市中央区)の子会社ナフジェイ・パナマは7日、フェリーの売買契約に関するトラブルをめぐり、韓国企業に約157万ドル(約1億5700万円)を支払うよう日本海運集会所(東京)から5日付で仲裁判断を受けたと発表した。昨年支払い済みの前金62万ドル(当時の為替レートで約7400万円)と合わせ、損失は2億3千万円を超す見込み。同社の支払い能力を超えており、県が対応を迫られる可能性もある。

 トラブルは、新潟港とロシアを結ぶ県の日本海横断航路事業で使うフェリー「オハマナ号」が、想定していた性能よりも劣っていたことから起きた。

 韓国企業との売買契約は昨年8月に成立。しかし10月に日本に回航した際、本来は18ノット必要な速度が11~12ノットしか出ないことが判明した。ナフジェイ・パナマは船の受け取りを拒否する一方、韓国側は代金の支払いなどを求めて海運関連の紛争仲裁を行う日本海運集会所に仲裁を申し立て、口頭審理が行われていた。

 県庁で7日、記者会見したナフジェイ・パナマの五十嵐純夫社長(72)は、仲裁判断では韓国企業が請求していた約412万ドルの約38%にあたる金額を支払うよう示されたことを明らかにした。船は韓国側が引き取る。仲裁判断は裁判所の判決と同じ効力を持つ。

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