中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年07月31日
さて、まったく情報がないにもかかわらず、アップルデイリーは31日に続報記事を掲載。タブロイド紙の面目躍如といったところでしょうか。新たに盛り込んだ内容は2点。第1に『世界防衛雑誌』取材主任の施孝瑋氏のインタビューです。「中国の原潜製造技術は未成熟であり、万が一事故が起きればその影響は計り知れない」という誰にでも言えそうなコメントだけなのですが。
それでですね、第2のポイントがちょこっと面白いのです。日本で活躍するジャーナリスト・徐静波氏のマイクロブログの内容を紹介したものなのですが、
「北京核機器厰製のガイガーカウンターを持ってきたのだが、上海浦東空港で測ってみて驚いた。毎時0.31マイクロシーベルト。昨日、東京の銀座で測った毎時0.13マイクロシーベルトの3倍だ。なぜ?」という書き込み。31日午後6時現在、5600回以上転載され1157ものコメントがつくなど、そこそこの注目を集めています。
*画像は徐静波氏のつぶやき。
コメントを見ると、大連の流出事故と結びつけている人もいるようですが、ごく少数。「測定条件によっても違うし、なんとも言えないよね」という冷静な意見や「空港なんか大理石が多いから放射線ちょこっと多くても当たり前じゃね?文系バカすぎ、怖い」などという書き込みもありました。
記事「「横浜の放射線量ってウチの国より下なの!?」データを見て驚く中国人たち」でも紹介したとおり、もともと自然放射線量は中国のほうが高いケースが多く、福島原発事故後も測定値では中国のほうが高いなどということもしばしば。
この毎時0.31マイクロシーベルトという数値は全然騒ぐ必要はない値だと思いますが、めざとく見つけて記事に入れているアップルデイリーはさすがです。同紙は「中国のマイクロブログで「潜水艦」「核」などの言葉が検索できなくなった」とも報じていますが、現時点で調べてみると普通に検索可能です。真に受けて調べた時間を返せともいいたくなりますが、まあ、アップルデイリーはそういう新聞なので、めくじらをたてるべきではないのかもしれません。