【5月20日 AFP】雨のニューヨーク(New York)。道行く人々が皆、雨を避けようとするなか、キリスト教信者のマニー(Manny)さん(56)は傘をさして街角に立ち、「2011年5月21日に世界は終わる」と警告する。

 ニューヨークでは今、いたるところでキリスト教信者がTシャツやパンフレット、本やポスターを用意し、この地球破滅説を説いている。ニューヨーク市内の地下鉄には「最後の審判の日」のキリスト再臨に伴い、「大地震」が起こると警告する広告も貼られている。

 マニーさんは「『ヨハネの黙示録』によると世界各地で地震が起こるとされている」と語り、「時差があるので地震が同時に発生するかどうかははっきり分からないが、全世界で同時に起こるとされている」と説明した。

 「2011年5月21日」。でたらめの日付のように思えるかもしれないが、これは、カリフォルニア州に拠点を置く宗教放送局「ファミリー・ラジオ(Family Radio)」の局長、ハロルド・キャンピング(Harold Camping)さんが聖書に基づいて数値解析し、割り出したものだ。

 マニーさんのそばでは、ボルス(Borce)さん(43)が小冊子を配り、関心を示す人に、救済の日まで残された時間は少ないと語りかける。「今はまだ救済の機会があるが、21日になれば救済は終わり、神は扉を閉められる。救済されなかった人々はその後、5か月しか時間はなく、その間、苦しみ続けるだろう。10月21日に神は世界を業火で滅ぼす」と説明する。

 マニーさんとボルスさんは5月21日になったら、騒がしいニューヨーク市から静かな場所へ移るつもりだという。ボルスさんは「20日までは神に慈悲を請うため祈りを続けるが、21日は事の成り行きを見守りながら自宅で過ごす」という。

 2人とも、信仰心のあつさにもかかわらず、人々からこの警告をあざ笑われることも多いという。マニーさんは「皆、信じようとしない。8人だけが救われたノアの箱舟のときに起こったのと同じことなんだ。聖書によると、今回助かるのは2億人だけだ」と話した。(c)AFP/Mariano Andrade

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