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地下鉄トンネル、携帯「圏内」化は意外に難工事

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東京都内を走る都営地下鉄と東京メトロの地下鉄トンネル内でも携帯電話が使えるようになる。主要な区間には早ければ年内にもアンテナが設置される見通しだが、なぜもっと早く「圏内」にできなかったのか。そこには、入り組んだ東京の地下鉄ならではの事情もあったようだ。

地下鉄トンネルへのアンテナ設置が具体化したのは、ミニブログ「Twitter(ツイッター)」でのある会社員のつぶやきがきっかけ。それがソフトバンクの孫正義社長と東京都の猪瀬直樹副知事とのツイッターのやり取りにつながり、1月20日の会談で都営地下鉄の圏内化が決まった。東京メトロも同日、対応する意向を表明した。

都内の地下鉄はホームやコンコースなど駅構内にはすでに携帯電話用の基地局設備やアンテナが設置されている。地下はスペースに限りがあるため、携帯電話各社が個別に置くのではなく、関連17社で組織する「移動通信基盤整備協会(JMCIA)」を通じて共用の装置とアンテナを設置している。

一方、トンネル内はこれまで手つかずで、都営地下鉄を管轄する東京都交通局は「ユーザーから要望が多い課題だった」という。都交通局は継続的にJMCIAとインフラ整備に向けた協議を続けていたが、今回の"トップ交渉"でにわかに話が進展した格好だ。

ただ、現時点ではまだトンネル内の調査も始っておらず、業界には「どれくらいの工事になるか想定がつかない」との声もある。国内ではすでに福岡市地下鉄などがトンネル内にアンテナを設置しているが、都内の地下鉄は規模がケタ違いで、トンネル内の状況も異なるからだ。

曲がりくねって工法もまちまち

都内の地下鉄にアンテナを設置しにくい理由の一つは、カーブの多さとアップダウンの激しさ。こうしたトンネル内に電波を行きわたらせるには多くのアンテナを最適な場所に配置する必要がある。ただトンネル内での作業は、安全のため終電後に始めて1日で実質2~3時間程度しかできないため、調査だけでも相当な時間がかかると予想される。

もう1つの難しさは、路線の建設時期や工法によってトンネルの構造が異なること。例えば、古くからある東京メトロ銀座線や丸ノ内線は線路脇に設けた専用レールから給電する仕組みで、天井に架線がなく隙間も狭い。一方、南北線のように1つのトンネルに双方向の車両を走らせている路線もある。

そのため実際の工事では、主に3つの方法を使い分けてアンテナを設置していくことになりそうだ。

1つは、ホームの端やトンネルの入り口に指向性が高いアンテナを設置して電波を「吹き込む」方法。これは直線区間が長い場所に向いているが、電波を遠くまで飛ばすためアンテナのサイズが大きくなる。このため運行を妨げないようにアンテナを取り付けるための場所探しが難しくなる。

2つめは、漏洩(ろうえい)同軸ケーブルを使う方法だ。漏洩同軸ケーブルとは、同軸ケーブルの皮膜に細かい切れ目を入れたもので、トンネル内に引いたケーブルから電波が漏れてアンテナの役割を果たす。直径数センチのケーブルなので狭いトンネルでも設置しやすい。車両近くでまんべんなく電波を出すため通信の安定性が高いという利点もある。半面、電波を伝わりやすくするには乗客に近い車両の窓の高さにケーブルを取り付ける必要があり、工事に時間がかかるのが難点だ。

3つめは、トンネル内に通常のアンテナを設置する方法。駅に置いた装置とは光ファイバーで結ぶ。ただ、電波はカーブやアップダウンの先に届きにくいので、設置場所を選ぶ必要がある。電波を届けやすい場所でも、スペースの関係で必ずしも置けるとは限らない。車両と壁面が近いトンネルは電波が伝わる空間が少ないため、アンテナ数を増やさざるを得ないという問題もある。

設置費用は携帯各社が負担

福岡市地下鉄はアンテナ方式、札幌市は電波を吹き込む方式を採用している。JMCIAはこうした事例を基に、都内の路線や駅ごとに最適な方式を設計していくことになる。KDDIのau建設本部au建設統括部計画グループの永山智士課長は「最も効率的な構成を取るため、場所によっては複数の方式を組み合わせる場合もあるだろう」という。

設置コストを算出して負担の配分方法を決めるのもこれからだ。都営地下鉄と東京メトロのすべての路線に整備するには200億円程度かかるとの試算もあり、その費用は携帯電話会社が負担する。各社への割り当ては「例えば800MHz帯で一口というように携帯電話会社が利用している周波数帯ごとに配分するか、利用している周波数帯域幅で配分する案などが考えられる」(JMCIA)という。

実際に工事が始まればさらに別の課題が出てくる可能性もあるが、携帯電話業界と地下鉄運営側が重い腰を上げたことで、東京の大きな「圏外エリア」が消えることになる。地下鉄移動中にメールをチェックしたり、災害など緊急時の通報手段として使ったりと、携帯電話やスマートフォンの利便性はさらに高まりそうだ。

だだ、走行中に電波が届くようになったとしても地下鉄車内での携帯電話利用マナーが変わるわけではない。優先席付近では電源を切り、それ以外の場所ではマナーモードに設定して通話を控えるという常識を頭に置き、最低限の利用を心がける必要がある。

(電子報道部 松本 敏明)

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