世界遺産登録

「大魚を損した」「外務省のトチり」… 批判続出 自民総務会、韓国の合意反故で外務省から経緯聴取

総務会に臨む(左から)高村正彦副総裁、二階俊博総務会長、谷垣禎一幹事長ら。奥は席に着く伊達忠一参院幹事長と溝手顕正参院会長=10日午前、国会内(酒巻俊介撮影)
総務会に臨む(左から)高村正彦副総裁、二階俊博総務会長、谷垣禎一幹事長ら。奥は席に着く伊達忠一参院幹事長と溝手顕正参院会長=10日午前、国会内(酒巻俊介撮影)

 自民党は10日の総務会で、世界文化遺産への登録が決まった「明治日本の産業革命遺産」をめぐり、韓国側が一部施設で働いていた朝鮮半島出身者への「強制労働」と主張していることについて、外務省から経緯を聴取した。出席者からは、世界遺産委員会で日本政府が「forced to work(働かされた)」と述べた結果、「徴用工の賠償請求につながらないか心配だ」などの懸念が出た。

 小池百合子元防衛相は、海外メディアで「戦争犯罪の極悪非道な舞台」、「奴隷労働の地」などと報じられていると指摘し、「広報戦略がなっていない。目の前の小さな魚を追って、大魚(国益)を損することになった」と批判。木村義雄参院議員は「外務省はトチったのではないか」などと語った。

 総務会後の記者会見で、二階俊博総務会長は「政治的に議論の余地があるとすれば、事前に(党にも)報告しておくことが大事だ」と述べ、外務省の対応に苦言を呈した。

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