写真1●ぷらっとホームのARMサーバー「OpenBlocks AX3/4」
写真1●ぷらっとホームのARMサーバー「OpenBlocks AX3/4」
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写真2●シングルコアARMの下位版「OpenBlocks A6」
写真2●シングルコアARMの下位版「OpenBlocks A6」
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写真3●ネットワークアプライアンス・モデルの「EasyBlocks Enterprise」
写真3●ネットワークアプライアンス・モデルの「EasyBlocks Enterprise」
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 ぷらっとホームは2012年6月7日、ARMコアCPUを採用した手のひら大の小型サーバー「OpenBlocks Aファミリ」の販売を始めた。1.33GHz動作のデュアルコア版と600MHz動作のシングルコア版を用意。600MHz動作のシングルコアPowerPCを搭載する従来製品を拡充し、省電力・高性能な小型サーバーを求めるユーザーの声に応える。

 Aファミリは、「OpenBlocks AX3」(写真1)と「OpenBlocks A6」(写真2)の2機種。AX3は1Gビットイーサネット(1000BASE-T)ポート数が4のAX/4、同2のAX3/2の2モデルを用意する。消費電力はAX3が最大13W、A6が最大6W。いずれも内蔵フラッシュメモリーにOSとしてDebian GNU/Linux 6.0をプリインストールする。ストレージはSATA2接続の2.5型HDD/SSDを内蔵できる。

 主な仕様は以下の通り。上位版のAX3/4は、CPUがデュアルコアのMarvell ARMADA XP、メモリーが1GバイトDDR3 SDRAM。128Mバイト容量のNORフラッシュメモリーをオンボードで搭載する。外部インタフェースは1000BASE-T×4、USB 2.0×2、eSATA×1、シリアル×2(1ポートはコンソール用)で、拡張スロットとして、Mini PCI Express×1、SO-DIMMスロット×1を備える。電源は12VのACアダプター。

 下位版のA6は、CPUがシングルコアのMarvell ARMADA 310、メモリーが512MバイトのDDR2 SDRAM。64Mバイト容量のNANDフラッシュメモリーをオンボードで搭載する。外部インタフェースは1000BASE-T×1、USB 2.0×1、シリアル×2(1ポートはコンソール用)。拡張スロットは用意しないが、GPIOインタフェースを1ポート備える。電源は5VのACアダプター。

 価格はAX3が5万9800円から、A6が3万6800円から。従来機のOpenBlocks 600ファミリは4万5800円からで、AX3が上位機、A6が下位機の位置付けになる。

アプライアンス版は管理機能を刷新

 ARMコア搭載のAファミリの投入に合わせて、OpenBlocksにDHCPやWebキャッシングなどの機能を組み込んだアプライアンス製品「EasyBlocks」シリーズも拡充した(写真3)。目玉となるのは、インターネットイニシアティブ(IIJ)がOEM提供する運用管理基盤「SACM(Service Adapter Control Manager)」のクライアント機能の搭載。新EasyBlocksをインターネット接続するだけで、IIJが運用するサーバー経由で各種設定を自動受信する。Webの管理画面から複数のEasyBlocksを集中管理できる機能と合わせ、運用負担の軽減を図る。

 EasyBlocksシリーズはネットワークサーバーの機能別に3機種を投入。DNS、DHCP、RADIUS、NTP、syslog、HTTPプロキシーの各機能を搭載する「EasyBlocks Enterprise」、HTTPプロキシーに特化した「EasyBlocks Webキャッシング向けProxyモデル」、ProxyモデルにデジタルアーツのWebフィルタリングサービスを付加した「EasyBlocks Webキャッシング向けProxyモデルpowered by i-FILTER」を用意した。処理能力やインタフェースの仕様はAX3と同等で、AC100V電源を内蔵する。

 価格はオープンだが、実売価格はEnterpriseが35万円前後、Proxyモデルが30万円前後、1年間のWebフィルタリングデータベース利用権が付属するProxyモデルpowered by i-FILTERが40万円前後になる見込み。

 OpenBlocksシリーズは、ネットワークアプライアンスを中心としたOEM提供が主体の小型サーバー。「600MHz動作の組み込み向けPowerPCプロセッサに性能不足を感じるOEM先やエンドユーザーの声に応えた」(製品マーケティング部広告・マーケティング課の松本知巳課長)という。今後はEasyBlocksシリーズにHTTPプロキシー以外の特定用途モデルを投入する計画だ。

[発表資料1発表資料2]