まちに建つ石場建ての家

住宅街でも建てられます!伝統構法木の家

駅近郊の住宅街に建つ2階建ての石場建て住宅です。
第16回川口市都市デザイン賞「まちかどスポット賞」受賞
小振りな住まいですが、完成迄に多くの時間を要しました。2階建ての石場建ての住宅を造る場合、建築基準法施行令の仕様規定を外す必要があります。法律が厳格化された現在では限界耐力壁計算という構造計算を行った上で構造適合性判定行きの建築確認申請をすることで、困難はあれど建設が可能となります。
施主、意匠設計、構造設計、施工者が恊働して設計に関わり、多くの時間をかけたぶん連帯感は高まり出来上がったときの喜びを共有することが出来ました。家づくりに大切な一面を経験させていただき得ることは多かったように感じています。

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小屋は登り梁で構成している為、広々とした空間になっています。8メートルの地棟をはじめ、長尺材を多く使っています。

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蹴上げが165ミリの緩やかな階段です。シンプルながらも掃除の際に壁を傷つけない様に、ハッカケ納まりとした雑巾摺りが両脇に付いています。建て主さん手作りの下地窓は、奥の和室をほんのり明るくします。風通しの調整は内側の障子で行います。

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奥の和室とお茶の間の間にある引戸を開け放つと一体化した空間になります。閉じると独立性の高い和室です。

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左:玄関内部は、足固めの上に栗板を張っています。 中:通常は摩擦で動かないのですが、アンカーボルトは無いため、大地震時の建物のずれを考慮して設けた、桟橋風の栗デッキです。先端は置いてあるだけです。 右:水に強い栗材のウッドデッキです。適当な乾燥度合いになるまで自社管理し、変形が出きってから加工しています。じっくりと素材の時間軸にあわせてつくることが大切です。

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杉材の羽目板張りの外観です。景観への柔らかい見えがかりも性能の一つと考えています。縦格子の塀は、道ゆく人とのつながりを持ちながらゆるやかに視線を仕切ります。外壁の羽目板は、梁と一緒に準備した6メートルの通し板です。県内の産地との連繫で入手が可能となりました。石場建てのため床下には風がよく通り抜けます。建物の北側地面も乾きやすい造りです。


設計:綾部工務店+けやき建築設計+野島建築設計JV

施工途中の様子



足場に建てかけてあった壁面全体を一気に組み付けます。
長い柄でも無理無く組めます。

屋根には8ミリ角ダボ入りの野地板を全面に張っています。

小屋の中央には地場産の8メートルの杉太鼓梁を使いました。
東西方向に1間、2間、1間とした構造グリッドをつくり、両端に小部屋を配置し固め、中央に広がりのある部屋を設けています。軒桁も8メートル材です。

礎石はビシャン仕上げの御影石としました。斜線制限で柱脚長さは最小限ですが風の通り抜けは良好です。

施工例一覧


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  • ときのすむ家


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