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登場間近「IE9」はライバルにどこまで追い付いたか

フリーライター 竹内 亮介

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いまやパソコンで最も使用頻度が高いソフトウエアといえるのが、ウェブサイトを閲覧するブラウザー。ここ数年は米マイクロソフトの「インターネットエクスプローラー(IE)」がじりじりとシェアを落としており、巻き返しをかけて近々最新の「インターネットエクスプローラー9(IE9)」にバージョンアップする。今回は米国時間2月10日に公開された「RC版(Release Candidate、製品化直前のバージョン)」を使い、その使い勝手や新機能を試した。

IEのシェアはかつて90%を超えたが、現在は米モジラ財団の「Firefox(ファイヤーフォックス)」、米グーグルの「Chrome(クローム)」、オペラソフトウエア(ノルウェー)の「Opera(オペラ)」などの猛追によって長期低落傾向にある。米Net Applicationsの調査によると、2011年1月時点でIEの世界シェアは56.0%。米StatCounterの調査では10年9月時点で50%を割り込んだという。主な理由は読み込み速度や機能面の差にあり、特にグーグルのクロームがシェアを順調に伸ばしている。

JavaScriptの処理エンジン刷新

そこで、最新版のIE9は、ブラウザー上で利用できるプログラム言語「JavaScript」の実行速度を引き上げる仕組みを導入した。最近は、画面を読み込み直すことなしに表示をさまざまに切り替える「動的」なウェブサイトがほとんどだ。ウェブメールサービスや地図サービスが代表例で、こうした動的処理にはJavaScriptによる記述が欠かせないものになっている。ライバルのブラウザーもJavaScript処理の高速化を強くアピールしており、真正面からの対抗策を打ち出した格好だ。

技術的には、JavaScriptの処理エンジンを現行のIE8から全面刷新し、CPUが内蔵する複数の演算回路を平行して利用できるようにした。同じ環境でIE8とウェブサイトの表示速度や応答性を比較しても、全般にIE9の方が「高速化した」という実感がある。

また、パソコンに搭載された内蔵グラフィックス回路やグラフィックスチップをレンダリング(画面表示)に利用するのもIE9の特徴の1つだ。これにより3D(3次元)座標の画像・映像の表示がスムーズになる。

IE9の機能テスト用にマイクロソフトが公開しているウェブサイトで試してみると、水中を泳ぐ魚の映像が最高値である秒間60コマで常時表示された。一方、3D表示の計算処理にCPUしか使わないIE8では表示すらできなかった。現行版「ファイヤーフォックス3.6」も同じくCPUだけを使っており、表示はできるもののかなりガタついてしまう。

画面処理を専門に行うグラフィックス機能を利用すれば、その分CPUにかかる負担が減り、ブラウザーの他の処理を高速化できる。グラフィックス機能の活用を全面的に取り入れたのはまだIE9のみだが、オペラやクロームなども段階的に導入しており徐々に主流となりつつある。

デザインや使い勝手も改善

IE9は、ウェブの次世代標準仕様である「HTML5」などネット業界の「標準」にも積極対応している。利用者には、特定の決済サイトなどを使うため普段とは違うブラウザーを開くといった手間がなくなっていく利点がある。ウェブサイトの開発者も、ブラウザーごとに記述を細かく手直しする作業が軽減する。

使い勝手にかかわるデザインや操作性もかなり変わった。IE8はURLを表示する窓と検索ボックスが独立しているが、IE9ではこの2つを合体した。検索したい文字もURL窓に入力する方式で、クロームがすでに採用している。IE9は複数のサイトを切り替えるタブもこのURL窓の右に表示する。その分だけサイトの中身を多く表示できることになる。

新規タブを開いたときの表示内容も変わった。IE8はすでに閉じたウェブサイトを再度表示するボタンや検索サイトへのリンクボタンを表示するが、IE9では履歴から判断した「よく使うサイト」へのリンクボタンを10個並べて表示する。

タブをつかんでデスクトップにドラッグ・アンド・ドロップすると、IE9のウィンドウを新しく開いてそのタブの内容を表示する。このタブのドラッグ・アンド・ドロップ機能も、クロームやファイヤーフォックス3.6が導入済みだ。IE9はさらに、タブをつかんだ状態でディスプレー画面の左端や右端にカーソルを合わせると、画面全体の左半分や右半分にそのタブの内容を表示する。これはOS「Windows7」の「Aeroスナップ」と呼ぶ機能と同じもので、2つのウェブサイトの内容を見比べたいときなどに便利な機能だ。

タブのドラッグ・アンド・ドロップではほかにも、タスクバーに落とすとそのタブで開いていたウェブサイトを直接開くショートカットを作る機能もある。関係のあるタブ同士を色わけして表示することもでき、タブ管理がより柔軟になる。

各種ファイルのダウンロード状況やダウンロードした場所を管理する「ダウンロードマネージャー」機能も追加された。他のブラウザーにはすでにあるが、保存先を確認し忘れて目当てのファイルが見つからないときなどに役立つ。

バージョンアップは慎重に

体感の表示速度はIE8から大きく進歩しており、着実な改善を感じさせる。製品直前版ながら不具合で停止したり原因不明のトラブルが起きたりすることもなく、快適に利用できた。デザインや機能もライバルのブラウザーのよいところを積極的に取り入れており、ようやくながら「同じ舞台に立った」という印象だ。使い勝手や表示速度が不満でほかのブラウザーを使い始めた人も一度試してみるといいだろう。

ただ、JavaScriptの処理エンジンやレンダリングエンジンを大幅に刷新したこともあり、IE8では問題なく表示できていたウェブサイトがうまく表示できないといったことが起きる可能性もある。特にブラウザー経由で利用する社内システムなどは、検証が行われていないIE9でトラブルが起きる可能性がゼロではない。IEは古いバージョンと新しいバージョンを同じOS上で動かすことは原則的にできないので、業務に使用するパソコンに焦ってインストールすることは避けたい。また、対応するOSはWindows7と「Windows Vista」のみなので、「Windows XP」を搭載するパソコンでは利用することができない。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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