「放課後ティータイムII」を聴いた。その5
前回レビューの続きです。
「天使にふれたよ!」
- 最終話(24話)、卒業式後の部室で梓のために演奏された曲の完成形(放送時の感想はこちら)。
- ここまでが正式なアルバム収録曲(StudioMix)で、次の曲からボーナストラック扱い。個人的には、この曲からボーナストラックととらえている。右chのギターは梓の演奏と思われるが、お客さんというか「ゲストプレイヤー」というか、どうにも物足りない。物語上での曲の成立過程を考えればしょうがないけれど、歌パートがない分ギターで歌ってほしかったという気持ちは正直に言って、ある。
- 作中のクレジットでは、作詞が4人の連名になっていた。自分が詞を書いた部分のボーカルを担当しているものとして聴くと味わい深い。全員で歌っているパートの詞は澪っぽい。
- 人によっては「ずっと 永遠にいっしょだよ」*1という詞がうすっぺらく感じるかもしれない。これはまだ高校生である彼女たちの素直な心情だと思うし、何が「いっしょ」なのかはこの後に収録されている「放課後ティータイム」に答えがある。
- これも「個人的には」なのだけれど、イントロのギターからAメロのリズムパターンの流れでBOØWYの「わがままジュリエット」を連想してしまう。ジュリエットといえば律ですが、あの卒業式の日の梓にイメージを重ねてしまってもうたいへん。「泣き顔でスマイル すりきれてシャイン」*2ですから。
「Interlude」
- 「ふわふわ時間」を元にしたジャムセッション風の音源。フィードバック音から入ってトリッキーなフレーズを連発する梓を筆頭に、全員が自由に弾きまくり。これは大ヒット!
- この曲から、メンバー全員が「ある程度の」アドリブ演奏ができるレベルに達していることがわかる。作中でHTTの曲作りが窺えたのは1期2回目の合宿回で、唯と梓が楽譜を見ながら「ふでペン」のイントロを練習していたシーンと、2期3話でムギがキーボードを弾きながら「Honey〜」のAメロをハミングしていたシーンくらい。このレベルであれば、ムギは基本のコード進行とメロディ、キメのフレーズだけ楽譜に起こし、細部は各パートに任せていた、と確定していいと思う。となれば、HTTの「練習」というのは、アレンジを詰めていく作業でもあったということ。そりゃあ知識も技術もある梓にしてみればもっと「練習」したくもなるだろう。
- …ということを書いてる最中にid:thvenrさんからトラックバックが飛んできた!持ってる人はできれば楽器を手に「梓がムギの曲をアレンジするプチ妄想 - シンヴェニア」を読んでみてください。
「放課後ティータイム」
- 正式なアルバム収録曲にくらべると、OP/EDやそのカップリング曲に近い印象。モータウン風の王道ガールズポップながら、半音上昇・下降を繰り返す転調が「おっ」と思わせる。
- 「天使にふれたよ!」と違って、この曲のボーカルは5人全員のソロパートあり。律と梓も味があっていいんだ。
- 「もしも違う空を目指す日が来て離れても」というフレーズから、彼女たちがいつまでも本当に一緒にいられると考えているわけではないことがわかる。続くフレーズは「離れない 耳澄ませば聞こえるよ 私達の奏でた永遠」だ。いつまでも一緒なのは彼女たちが作った音楽のこと。id:raydiveさんが言っていた「音楽と隣合わせの生活」の歌なんだ。
これでStudioMix収録曲はおしまい。残りはCassetteMixの初期4曲。