オンライン広告サービスを手がける米Chitikaは現地時間2012年2月10日、米AppleのモバイルOS「iOS」搭載端末からのトラフィックが初めてパソコンOS「Mac OS X」のトラフィックを上回ったとする調査結果を公表した。

 調査では2011年8月~2012年2月の期間、Chitikaの広告ネットワークにおける米国のトラフィックを測定した。それによると、iOSの米国におけるトラフィックは昨年9月から上昇が続いており、過去5カ月間の伸び率は約50%に達した。一方Mac OS Xは昨年9月にピークに達した後下降し、過去5カ月間で25%低下した。今年2月時点のiOSの全トラフィックに占める割合は8.15%。これに対しMac OS Xは7.96%となり、iOSが初めてMac OS Xを上回った。

 Appleのパソコンは、顧客のロイヤルティーを獲得しており、利用者数などに変動があまりないことで知られている。「にもかかわらずこうした現象が見られたのは、Appleが次から次へとガジェット製品の新モデルを市場投入し、Mac OS Xに似た機能をiOSで提供したため、消費者がより安価なApple製品を選んだことが原因と考えられる」とChitikaは分析している。

 今回の調査では、WindowsパソコンやAndroid搭載モバイル端末からのトラフィックは計測していないが、今後、消費者のライフスタイルが変化し、モバイル端末の販売が伸びると予想されることから、モバイル経由のWebアクセスがさらに増加すると同社は見ている。「このことは、いつモバイル端末によるトラフィックが従来のパソコンのトラフィックを上回るのか、それがコンピュータ業界にとって何を意味するのか、という疑問を投げかける」と指摘している。

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