kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

保守主義の遺伝的・神経基盤

僕はおととし、「デアル、ベキダ」という原稿を書いたのですが、そこでは、保守主義者は計画性がある反面、新しいものを好まない。進歩主義者は、新奇なものを好む傾向があるという、ニューヨーク大学のJohn Jost の研究を紹介しました。(あれ、今ぐぐってみると、ジョストは最近京都大学で講演をしたらしいですね。)

http://faculty.virginia.edu/haidtlab/jost.glaser.political-conservatism-as-motivated-social-cog.pdf

当然、これは超重要だと思っていたからですが、この流れを受けて、先日、保守主義者は、扁桃体(危険を感じる部分)が大きく、anterior cigulate(前部 帯状 回)が小さい、という結論が、ロンドン大学から出たそうです。

http://www.telegraph.co.uk/science/science-news/8228192/Political-views-hard-wired-into-your-brain.html

なるほど、この結果は多くの研究者が予想していたとおりです。近いうちに進歩主義を裏付けると言われているDRD4についても、脳内の違いが出るのでしょう。

Eysenk の昔から保守主義というのは気質と関係があると考えられてきましたが、性格というものが大きな遺伝性を持っているからには、おそらくは政治的な態度も遺伝しているはずだと考えられています。政治学者のAlfordによる、政治的意見の遺伝性については、2005年の最近でも

http://wikisum.com/w/Alford,_Funk,_and_Hibbing:_Are_political_orientations_genetically_transmitted

によって、確証されています。


こういった風に次々と明らかになると、行動科学としては楽しいのですが、リバタリアンとしては難しいものも感じます。もちろん、感情ではなくて、理性による、政治の超克というのが僕の主張ではあるので、問題ないといえば、問題なのですが。

しかし、バスティアの翻訳を昨日までかけて、校正してみました。

http://d.hatena.ne.jp/kurakenya/20100929

1850年に書かれたパンフレットにある、160年前の政治家の雇用への配慮は、現在も全く同じで、全く同じ主張が民主党自民党によって繰り返されている!!

それでも何事にもポジティブにlooking for the sunny sideで、今後もやって行くつもりです、ハイ。