Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

ラーメンは滅びんよ、何度でもよみがえるさ

2010-11-04 16:02:25 | その他
九州系ラーメンの伝道者とも言える桂花ラーメンが事実上倒産してしまった。
実は昨年、10年ぶりに食べる機会があったのだが、ずいぶん淡白な味になったなと
感じたことをおぼえている。
いや、薄くなったとか不味くなったとかじゃなく、新鮮味がないというかなんというか。
社会全体がめまぐるしく変化する中で、90年代から止まっているような印象をもってしまった。

外食全般が競争の激しい業種だとは思うが、中でも最激戦区はラーメンだろう。
誰でも食べるし、誰でも食通になって一家言もてる。そして、誰でもやれる。
何年も徒弟修行する必要もないし、難しい免許がいるわけでもない。
元ヤンだろうがサラリーマンだろうが、腕一本で「自慢の一品」を出せてしまう。

と書くと、まるで秩序の無い百鬼夜行状態のように見えるが、実際にはバラエティに富んだ
魅力ある産業が生まれている。常に進化し続けるし、地方からも新たなブームが沸き起こる。
そして、ついていけない店は(税金で救済されるなんてことはなく)どんどん淘汰される。
結局、新陳代謝の速い業界ほど進歩も早いということだろう。

グローバルに活躍している店は、味千や一風堂のような有名店だけではない。
脱サラしたオーナーが始めたうちの近所のラーメン店には、よくガイドブックを持った外国人が
並んでいる。グルメはいまや日本観光の目玉の一つだが、中でもラーメンは注目株の一つだ。

そんな中、桂花ラーメンは明らかに変わっていなかったように思う。僕らみたいに二十歳前後に
通っていた人間にとっては懐かしいけれど、そうでない人間にとっては、いまや普通のラーメン
にしか映らなかったのではないか。正直言うと僕自身、わざわざ新宿まで食べに行こうとは
思わないし、行ったら行ったで別の店に行くような気もする。
ついでに言うと、あの味は三十路で卒業するかペースを落とすと思われるので、やはり新規開拓は
重要だろう。味千が支援に回るそうだから、止まった歯車をもう一度動かしてやってほしい。

ところで、上記のような構図をあてはめれば、日本停滞の理由ははっきりする。終身雇用という
屋台骨にしがみつこうとバラマキに頼り続けた結果、新陳代謝が止まってしまい、経済全体の活力を
失ってしまったわけだ。
不味いラーメン屋に「終身雇用だから」とか「競争はよくないから」とか
「生産設備がある以上は使わないと損だから」とかいう理由で税金投入し続けたら、
そのうち不味いラーメン屋ばかりになってしまうという結果を予想するのは、
たぶんそんなに難しい話ではないだろう。


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21 コメント

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ラーメンなど麺類も いいですが (スターチスの花言葉)
2010-11-04 18:04:47
自分はラーメンに詳しくないです。
でもラーメンが外国から日本に入ってきて独自の発展を遂げたのは間違っていない意見だと思います。最近 福江 誠
さんという寿司アカデミーを主催している方が「日本人の知らない世界の寿司」 という本でバナナを巻いたバナナロールを紹介されています。最近ではアジアの 人々が寿司だけでなく日本の文化に興味を持ち日本の情報を求めているそうです。外国で寿司を通してビジネスをしている頑張っている
日本人も紹介してくれています。
ラーメンと関係なくてごめんなさい。
Unknown (赤旗読者)
2010-11-04 18:28:18
このブログ記事タイトルが・・・(笑)ラピュタのムスカさんですやん。なんか笑えてきた・・

ラーメンはみんな食べますもんね。

ラーメン屋というと福岡に行った時に「一蘭」という店で味集中システムなるものに度肝を抜かれた経験があります。味濃いというか店の人とも一言も会話がないし。

多様性と新陳代謝の良さがラーメン文化を育んでるのでしょうか。雇用も流動性があるほうが良いでしょうね。これからの時代は。

Unknown (ADAC)
2010-11-04 18:39:55
日本のラーメンは唯一のジャパニーズドリームと思っています。
スケールは小さいですがw
ラーメンに出自や学歴やブランドは関係ないですからね。
旨いものが残り、不味いものは淘汰される。
それにしても、1杯1000円弱にもなる価格設定は、それが通用する産業ということで、よく研究する必要がるでしょう。
今日のデフレ経済について、資本主義のユニクロ化で全て説明しようとする方がいますが、ラーメン業界は価格を高く維持できているのです。
あんなものの原価、みなさんご存知でしょうw
贅沢に思えるチャーシューだってたかだか豚肉ですよ。焼肉だったら目もくれない肉です。

要するに顧客満足度を競っている産業では、しっかりした価格構造が維持できる証左でしょう。
逆に言えば価格でしか顧客満足に訴えることのできないような産業が衰退していくのです。

「価格が高くても盛況になる産業」
これを日本人が切磋琢磨して伸ばしていく必要があるのです。
これは日本人それぞれが頑張ることによってしか成し遂げられません。
くれぐれも、もっと成長産業に公的資金を!とか頓珍漢な意見に変質しないようご注意くださいませ、みなさん。
不況を好況に変えられるかどうかは庶民の頑張りにのみ懸かっています。
政府や行政になんとかしてよ~とすがりつくのはお門違いも甚だしい限りな訳です。
Unknown (K助)
2010-11-04 18:40:02
ラーメンの話を例えると非常にわかりやすい文章になりますね。

あと

>>ついでに言うと、あの味は三十路で卒業するかペースを落とすと思われるので

同意です。もっと言うとスープが濁ってるものや、あぶらが浮いてるのもNGですね。
桂花のニュースで思ったこと (非征服民A)
2010-11-04 23:43:15
1.資本の寡占化が進んだ今の飲食業界でも、いまだラーメンは個店が強く、モンテローザやワタミのような大資本が参入できない、今の日本では稀有な業界。逆に言うと特色のないチェーン店はこれからますます厳しい時代ではないかと。

2.熊本ラーメンというジャンルは僕の学生時代からすでに確立されていた。商売はもちろんのこと、個人のキャリアにおいても成功のためには差別化は必須条件。

3.僕が学生時代にはまった天下一品はまだ健在。好き嫌いがはっきりするラーメンだが、ああいうスープでチェーン化に成功したラーメン屋は他にない。やはりブルーオーシャン戦略は重要(まあ当たり前のことを言っているだけなのですが)。

4.しょせんラーメンは若い男の食べ物。これからラーメン店はバタバタ潰れていく。

実は桂花が潰れた最大の理由は、最後の4番目の件ではないかと思います。

消える若者市場
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101101/216899/

↑この記事を読んで今更ながら驚いたのですが、日本という国は若者人口が恐ろしいぐらいの勢いで激減していっています。
しかも、「25~29歳の勤労者の平均年収は、1997年から2009年の12年間の間に、373万円から328万円へと45万円も減少した。」のです。

正直、これからはラーメン店が潰れ、すき屋や松屋が生き残る時代になるのではないかと思います。
晩婚化・非婚化で独身男は増えていきますが、それ以上の勢いで、独りでカウンターで食事するのに700円を払う若い男は減っていくでしょう。

今は街中の寿司屋が姿を消して、くら寿司が勢力を伸ばす時代ですが、同じことがラーメン業界でも起こる(栄えるのは日高屋?)ような気がします。
スープの味がおちていた (ハナムラ)
2010-11-05 00:35:10
10年ほど前に食べて、スープの味がおちていたので行くのをやめていましたが、やはりという気がします。あの価格で、あの味では客ははなれるでしょう。
Unknown (あげ)
2010-11-05 00:45:09
二郎は大学の近くにあるので、
主要顧客が短期で入れ替わる。

いい場所に作りましたな。。山田のおっちゃん。
美味しければグロテスクでも構わないのか (さとる)
2010-11-05 02:08:43
出汁(スープ)の材料として、ラーメンブーム以降は豚骨や牛骨をベースにすることが多くなっているらしいけど、何でこんなグロテスクな食い物が人気なんだ。
骨を長時間煮たスープなんて生理的に嫌。
麺類なら蕎麦とパスタが好き。

人間の死体の骨を煮て作ったスープのラーメンは美味しいのかな?。ラーメンが好きな人は食べたいと思うのかね。

体に悪い物を美味しいと感じる人間の味覚は狂ってる。らーめん中毒になったら大変だ。
Unknown (Unknown)
2010-11-05 05:40:23
ラーメンといえば
週刊少年チャンピオンに連載されていた ラーメン作りに
青春をかける若者
の漫画が面白かった です。料理漫画で結構 ラーメンは取り上げられていると面白います。
草食化の正体 (城)
2010-11-05 07:34:09
やっぱり若年層の頭数、可処分所得共に減っている点が大きいと思う。草食化というのも、かなりな部分そこに関係しているのではないか。
これからのトレンドは、最後のボリュームゾーンである団塊ジュニアと共に老成していくんじゃなかろうか。