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20代リーダーがビフォー・ファイブで学べる8つのスキル

▼お知らせ:
大橋悦夫
 シゴタノ!ブックスの公開を記念して、著者の方々の短期連載企画を進行中です。

第2弾は『20代でリーダーになる人の「人を動かす」技術』の著者・古川裕倫さんです。

古川さんは、三井物産に長年ご勤務のあと、ホリプロで取締役執行役員経営企画室などを務められました。2008年に株式会社多久案を設立し、現在はビジネス書の執筆や社内研修の講師として活躍されています。


著者・古川裕倫より

古川裕倫
みなさん、初めまして! 「先人・先輩の教えを後世に順送りする」「日本と世界の小さな架け橋になる」を信条に、著者をしております古川裕倫(ふるかわ・ひろのり)です。このたび、シゴタノ!ブックスで電子書籍を上梓したのを機に連載させていただくことになりました。

私は、人事や採用・研修に長く携わってきて、若手の意見を聞く機会にも恵まれてきました。世の中の変化を知っている今の若者こそ「実力を付けたい」「学びたい」と願っていると思います。エスカレータ時代の若者より遥かに強く願望しているのです。

今の若者も、自分の願望(高い収入、残業がなく休みが取れる、潰れない会社に就職した)だけを主張しているのでは会社が回らず、「会社に貢献する」→「会社が成長する」→「それが自分に返ってくる」ことはキチンと説明すればすぐに理解してくれます。

それらを踏まえて、経営者・幹部、中間管理職、若手社員にお伝えしたいメッセージがたくさんあります。本連載ではいままで私が経験してきたことをもとに、そのエッセンスをご紹介していきます。

尊敬されるリーダーとは

これまでリーダーを経験したことのない若者がリーダーになるということは、とても成長できることであると同時に、大変な試練であるとも言えます。チームをまとめて良い結果を出したいと思うものの、内心では次のような心配事がたくさん出てくるのではないでしょうか?

  • 「これまで自分が見てきたような、良いリーダーになれるのか」
  • 「部下やチームのメンバーは言うことを聞いてくれるのだろうか」
  • 「お客様や取引先から信頼されるだろうか」

新しくリーダーとなる人は周りから信頼されるリーダーになれるかを不安に思っていることでしょう。

そもそも、良いリーダーとはどのような人を言うのでしょうか。頭が良ければ尊敬されるリーダーになるのでしょうか。

言うまでもなく、どれだけリーダーが秀才であっても動かない人や言うことを聞かない人はいます。しかし、たとえ秀才ではなくても、努力をしている人や勉強をして自分を磨こうとしている人には誰しも尊敬の念を抱くものです。

また、リーダーとして部下に自分を磨くように伝えるためにはまず自分を磨き、高める姿勢を見せることが必要です。

では、どのようにすれば自分を磨くことできるのか。それには大きく3つの方法があります。

  1. 仕事から学ぶ
  2. 人から学ぶ
  3. 書物から学ぶ

これら3つの方法にはそれぞれ学べることに違いがあります。今回は一番身近なものとして「1の仕事から学ぶ」について詳しく見ていきます。


左脳的能力は会社で学べ

誰しも一日最低8時間は会社に拘束されています。この時間(アフターファイブではなくビフォーファイブ)に学ぶことができれば家で座学するよりもずっと効率的で実践的です。しかも、お金をもらいながら学べます。

では、どんなことが学べるか? 私は「左脳的能力」と呼んでいますが、具体的には次の8つです。

  1. 理解力
  2. 説明力
  3. 分析力
  4. 企画力
  5. コミュニケーション力
  6. 判断力
  7. 決断力
  8. 交渉力


例えば仕事でプレゼンテーションをすることになったとしましょう。プレゼンテーションをする際には、聞いている人に対してわかりやすく説明することはとても重要です。上手なプレゼンを行うには、まず自分が説明する内容をしっかりと理解すること(1.理解力)が必要です。

次に、説明に必要な要点をまとめ(3.分析力、6.判断力)、簡潔にまとめられた資料を作成しなくてはなりません。そして、実際に説明をする際にはわかりやすく伝えること(2.説明力)が必要になります。

また、仕事をしていると上司に報告をしなければなりません。しかし、この報告でも仕事の進み具合、状況を分析し(3.分析力)、判断をした上で上司に簡潔に説明をする必要があります。また、部下から報告を受けている場合にしても、相手の言葉を聴き(1.理解力)、報告や相談の内容次第で、(6.判断力)や(7.決断力)を高めることができます。

一般に作業と呼ばれる仕事であったとしても学ぶことはあります。ただ同じ動作を繰り返しと思うのではなく、その目的を理解し、どうすれば効率が良くなるのか、どうすればより正確にできるのかを考えながら仕事をすれば、実力が上がり、上司からの信頼を得ることに繋がります。

仕事をしていく中でクレーム対応は嫌だという人が多いかもしれませんが、実はクレーム対応から学べることは数多くあります。クレーム対応とは「問題が何であるかを突き止め、解決策を出し、同じことが起こらないようにする」ことです。

この中には、関係者や顧客とコミュニケーションを上手に取り(5.コミュニケーション力)、情報を分析し(3.分析力)、解決策を社内で考え(1.理解力、2.説明力、4.企画力)、取引先と交渉すること(2.説明力、8.交渉力)が必要です。さらに迅速に対応することも必要なので早く行動する(6.判断力、7.決断力)ことの訓練にもなります。クレーム対応一つのなかで、左脳的能力のほぼ全てを鍛えることができるのです。

以上、いくつか例を挙げてきましたが、普段何気なくやっている仕事も少し意識を変えて見てみると、非常に多くの学ぶことが見えてきます。単純作業であっても改善することを意識して仕事をするだけで大きな違いがあります。

普段から学ぶことを意識して仕事をしている人には自然とまわりの人がついてきます。まずは目標を持って、何のために何を学ぶのかを考えましょう。そして、それを日々意識して行動することです。

▼シゴタノ!ブックス:20代でリーダーになる人の「人を動かす技術」

「人を動かす力」こそ、20代リーダーに必要とされるスキルです。チームをうまくまとめて良い結果を残したいと思うが故に実力以上に背伸びをして失敗してしまう。そんな「若葉マークのリーダー」のために、上司に、部下に、お客様に信頼され「人の心を動かす」ために必要な10か条と53の心得を指南します。

20代でリーダーになる人の「人を動かす技術」



▼古川裕倫:
三井物産やホリプロなど31年間のキャリアをもとにユニークで楽しい講演会「プラチナビジネス塾」を開催するほか、経営者・ビジネスパーソンにハイクオリティな講演・研修などを提供する株式会社多久案を経営。