雑木帖

 ─ メディアウオッチ他 ─

沖縄・巨大リゾート開発の一周辺

2006-04-01 13:12:24 | 政治/社会
「きっこの日記」に社名を書かれたことをうけて、きっこ氏を法的に訴えると声明を出した沖縄のX社は、その後様々な雑誌で、「怪死」したエイチ・エス証券副社長野口英昭氏との深い関係や、沖縄の開発計画絡みでの記事になっているが、そのX社の社外監査役に加茂正治氏なる人物がいる。この加茂正治氏の経歴は次の通り。

 ■加茂正治氏 略歴
 平成4年4月 マッキンゼー アンド カンパニー インク ジャパン 入社
 平成8年6月 株式会社日光堂(現株式会社ユーズ・ビーエムビーエンタテイメント)取締役副社長
 平成12年6月 X社監査役(現任)
 平成12年11月 株式会社有線ブロードネットワークス副社長(現任)
 平成13年12月 株式会社サイバーエージェント取締役
 平成14年6月 株式会社ユーズ・ビーエムビーエンタテイメント取締役
 平成15年6月 株式会社ユーズコミュニケーション取締役(現任)
 平成15年10月 株式会社United Logistics Partners取締役(現任)
 平成15年11月 株式会社ユーズ・ビーエムビーエンタテイメント代表取締役副社長(現任)

 ユーズ・ビーエムビーエンタテイメント(BMB)というのはUSENグループの企業で、カラオケ機器の販売や楽曲送信などを手がけている。この加茂正治氏は、USEN社長の宇野康秀氏の経歴を見ればわかるように、宇野康秀氏とは非常に近い。

 ■宇野康秀氏 略歴
 昭和63年4月 (株)リクルートコスモス入社
 平成元年6月 (株)インテリジェンス設立 代表取締役社長
 平成10年3月 (株)サイバーエージェント取締役(現任)
 平成10年3月 (株)有線ブロードネットワークス取締役社長(現任)
 平成11年12月 (株)インテリジェンス取締役会長(現任)
 平成12年7月 (株)ユーズコミュニケーションズ設立 代表取締役社長
 平成13年1月 (株)日光堂(現(株)ユーズ・ビーエムビーエンタテイメント)取締役(現任)
 平成15年3月 楽天(株)取締役
 平成16年1月 (株)ユーズコミュニケーションズ代表取締役会長(現任)
 平成16年6月 (株)メディア代表取締役(現任)
 平成16年11月 (株)ギャガ・コミュニケーションズ代表取締役社長(現任)

(加茂正治氏はギャガ・コミュニケーションズの取締役もやっている。ちなみに、宇野康秀氏は3月20日付けで楽天の社外取締役を「一身上の都合」で辞任した)

『企業家 NETWORK』というWebサイトの”USEN特集 第3部 編集長インタビュー 社会的に意義あるサービスを提供し続けたいUSEN社長 宇野康秀氏 2006/03/06”という記事にも次のように記されている。

「GyaO」成功の要因

 無料会員制のブロードバンド放送「GyaO」が大きな注目を集めています。「GyaO」のアイデアは、いつごろ思いついたのですか。
宇野 二〇〇四年の十二月末に、副社長の加茂正治と飲みに行って、「来年はどうしようか」と話していたときのことです。「有料の『ショウタイム』は順調に伸びているが、もっと爆発的に成長するにはどうすればいいだろう」と二人で考えていたら、「無料で映像を流したら、いいのではないか」とフッと思いつきました。当時はブロードバンドのコンテンツを無料で見せるという発想は誰も持っていなかった。だからこそ、いけるのではないかと思ったのです。
『週刊ポスト』2006/04/07号が、”<追跡スクープ 聞こえてきた「白馬の騎士」のこれだけの悪評> USEN宇野康秀社長「スーフリ人脈」と「骨肉の後継争い」 学生時代は「イベサーのカリスマ」。兄を退けての社長就任。そしてライブドア沖縄開発問題との「奇妙な符合」も浮上”として、ライブドアが沖縄・石垣島の新空港建設をにらんで大型リゾート開発を計画していたのとリンクするように、宇野康秀氏もまた沖縄・恩納村名嘉真の伊武部ビーチで、開発面積が約13ヘクタール、154室の11階建ホテル、182棟のコテージ、チャペル、スパなどを建設するという、バブル崩壊以降沖縄では最大規模の大型リゾート開発を計画していると書いている。しかもその運営を、世界的ホテルチェーンのウェスティンホテルグループに委託するとしており、これもライブドアの場合と同じであるという。

 (恩納村名嘉真の伊武部ビーチ)

 奇妙なのは、そのような大規模なリゾート開発計画であるにもかかわらず、「ユーズホールディングス」という宇野康秀氏の個人経営の不動産会社が進めているということだ。この会社は社員が1名で、所在地はUSEN本社と同じ。電話をするとUSENの経理部につながるという。
『週刊ポスト』はこの開発が、宇野康秀氏の今回のライブドア買収と関係があるのではないか、と示唆している。ちなみに、宇野康秀氏は住民票を沖縄においている。

 ところで、3月22日に次のようなニュースが流れた。

 東京Vが増資、サイバーエージェントが新株主に 読売新聞 2006/03/22

 サッカーJ2・東京Vを運営する「日本テレビフットボールクラブ」(萩原敏雄会長)が、第三者割り当て増資を実施し、現在胸スポンサーの「サイバーエージェント」(藤田晋社長)が新しく株主になることが分かった。

 22日のJリーグ理事会で承認された。

 同クラブの資本金は2000万円で、約80%を日本テレビが出資。増資後も、筆頭株主は日本テレビで、クラブ名の変更などもないという。

 増資額、出資割合などは、4月18日の株主総会で正式決定する。クラブは今季J2に降格。増資により経営の安定化を図り、選手の補強などを行って1年でのJ1復帰を目指す。
 この東京ヴェルディのユニフォームスポンサーであるインターネット広告代理店・サイバーエージェント社長の藤田晋氏は、かつて宇野康秀氏が起業した人材派遣などの人材サービスをおこなう企業のインテリジェンスで、宇野康秀氏の部下だった人物。先にあげた経歴にもあるように、その宇野康秀氏はサイバーエージェントで現在、楽天の三木谷浩史氏とともに社外取締役をつとめている。
 読売グループの渡辺恒雄氏はホリエモンと反目するなどしていたが、これをみるとIT業界とはちょっと不思議な関係にあるようだ。

 (東京ヴェルディのユニフォーム)


 追記。

 サガン鳥栖

 ホリエモンが2004年秋に、「久留米・鳥栖テクノポリス構想」の絡みで買収に乗り出したが条件などが合わず流れたというJリーグの「サガン鳥栖(SaganTosu)」の経営難は、その後次のような陣営で経営を立て直している。
■社名
株式会社サガンドリームス
■役員
代表取締役社長 井川 幸広
取締役副社長  佐野 極
取締役     依田 巽
取締役     内川 淳一郎
専務取締役   杉山 栄敏
監査役     石塚 雅洋
■会社
設立日2004年12月21日
■資本金
1億6,150万円
■主な株主
井川 幸広  (株)クリーク・アンド・リバー社 代表取締役社長
依田 巽   (株)ティー ワイ リミテッド 代表取締役会長
UFJインベストメント(株)
澤田 秀雄  (株)エイチ・アイ・エス 代表取締役社長
田中 最代治 (株)田中経営研究所 代表取締役社長
班目 力曠  旧ネミックラムダ 創業者 代表取締役社長
大西 洋   (株)バリュー・リンク 代表取締役社長
藤村 哲哉  (株)ギャガ・コミュニケーションズ 取締役
林 一郎   (株)モスインスティテュート 代表取締役社長
張 玉雄   光元グループ代表
内川 淳一郎 (株)レッグス 代表取締役社長
(株)アメックス
佐賀県農業協同組合中央会
(株)佐賀新聞社
(株)サガテレビ
(株)佐電工
(株)中野建設
唐津土建工業(株) 他
 ちなみに、このサッカーチームの「サガン鳥栖(SaganTosu)」の名の由来は≪長い年月をかけて砂粒が固まって砂岩「サガン」となるがごとく一人ひとり、小さな力を集結し立ち向かうことを意味する。「佐賀の」という意味にも通じる≫とともに、音をセリエAの強豪「ユベントス」【YubenTosu】に似せたという意味もあるとされている。

 株主には、沖縄で”怪死”した野口英昭氏が副社長を務めていたエイチ・エス証券の社長の澤田秀雄氏や、バリュー・リンク社長の大西洋氏の名がある。
 エイチ・エス証券の親会社の格安航空券のエイチ・アイ・エスは創価学会系企業といわれており、その澤田秀雄社長が創価学会員との説も根強いということだが、2002年にサガン鳥栖の社長として就任、2005年1月に退任した古賀照子氏も熱心な創価学会員であり、2004年の参院選挙の時には松本監督を公明党の弘友和夫議員の激励会に二度もつれていき応援演説をさせるなどの公私混同ぶりを発揮、退任にはそのことも影響しているといわれている(参照─ ”ライブドア事件の最暗部を暴く!「エイチ・エス証券」と「武闘派暴力団」と「創価学会」数々のキーワードを結びつける点と線” 『月刊・実話ナックルズ』2006.04月号)。
 澤田秀雄氏は野口英昭氏とともに、安倍晋三氏の秘密後援会「安晋会」の理事も務めている。
 大西洋氏は、ラジオ日経の『藤沢久美 大西洋の発掘!未来企業』という番組で司会をしており、その番組には野口英昭氏も出演していたそうだ。
 1月17日に大西氏は、証券取引法違反容疑対象のライブドアマーケティングによるマネーライフ買収の件で、買収に活用された投資事業組合「VLMA二号投資事業組合」(運用資金の大半はライブドアが拠出していた)を運営していたことを認めたが、直後に姿を消し、現在も杳として行方が知れない。
『週刊現代』2006.02.16号は”ホリエモン「沖縄の夜」”という記事で次のように書いている。
「野口英昭さんの行方が分からなくなったとき、奥さんが真っ先に電話をしたのが、大西洋さんという方でした。最近、もっとも親しくしていた方で、『もしかしたら、行き先を知っているかもしれない。あるいは、一緒にいるのではないか』と思ったそうです。ところが、大西さんとはその後まったく連絡がとれていないのです」
 沖縄で怪死したエイチ・エス証券副社長、野口英昭氏(享年38歳)の親族Aさんは、こう証言する。



最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うわぁ~! (ゆりかりん)
2006-04-02 00:29:23
またまた胡散臭い真実ですね。w

そもそも、三木谷が、何の罪にも問われない世の中が許せない気もしますが・・・?



ちなみに、サッカーシャツは、野口氏の死体の傍らに転がっていた、今は無き血塗れのTシャツを連想させます。

しかも、USEN社長の宇野は、広域暴力団と関係が深いということは周知の事実らしいし・・・。



つくづく、ムカつきますね。w
サッカー (雑木帖@管理人)
2006-04-02 03:10:24
 現場に残されていたサッカーシャツですが、野口英昭氏の夫人は次のセリエ Aの「ユベントス F.C.」のシャツだったとしているようです。



・ユベントス ホーム用ユニフォーム

http://www.sskamo.co.jp/itempage/L195862-010.html



 ユベントスとUSENの関係は、USENの無料ブロードバンド放送「GyaO」が昨年4月25日に開局、本格的にサービスを開始した時、その初のライブ中継がそのセリエ A 在籍クラブチームの「ユベントス F.C.」の来日親善試合だったというもので、6月1日のユベントス×横浜F・マリノス戦、及び7日のユベントス×FC東京戦が配信されています。



・USEN、無料サービス「GyaO」でユベントスF.Cの来日戦をライブ配信

http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/9683.html



・Pick Up! Serie A 2005-06 (GyaO)

http://www.gyao.jp/sports/serie_a/



 サッカー関連では、ライブドアが「久留米・鳥栖テクノポリス構想」の絡みで、佐賀県鳥栖市をホームタウンとするJリーグの「サガン鳥栖」の買収に乗り出したことがあるのだそうですが、取引の条件が合わず流れたのだとか。

 この「サガン鳥栖」というチーム名の”サガン”は、≪小さい砂粒が固まって砂岩になるように力を結集することを表し、また「佐賀の」にも通じ、さらにセリエAの強豪「ユベントス」の音にも似せている≫などの意味があるのだそうです。



 これらは、関係がないといえばないといえるもの…です。



 ちなみに、僕は小学生のときは野球の選手になるのが夢でした。ところが学校には野球部がなかったので体操部に所属していたのですが、ある日サッカー部の顧問の教師が地区対抗の連合球技大会があるので選手として出てくれと言ってきました。チームは朝夕と練習をつんで大会にのぞんだのですが、決勝まで進んだところで大変なハプニングが起きました。我がチームのゴールキーパーがシュートされたボールをキャッチし、それを相手陣営に向けて蹴った時でした。あろうことか、そのボールがキーパーの前にいた味方の選手に当たり、勢いよく跳ね返ったボールはそのまま自陣ゴールに転がって入ってしまったのです。同点ゴールでした。おお!

 結局我がチームはその後一点のゴールを相手チームに許し、逆転負けを喫しました。

 ところで、そのキーパーの前にいてボールが当たった選手はとても肩身のせまい思いをしました。そのドジな選手とは誰あろう、この僕でした。

 こちらはまったく無関係な話でした。…

私も・・・。 (ゆりかりん)
2006-04-02 15:31:39
なぁ~るほど!



公開されていた(現場に残されていた血塗れ)Tシャツのイラストを見て、

「これって、もしかしてユベントスの・・・?」

って思ったんですよ。(笑)・・・私も、サッカー好きなもので。。。

それも、特にセリエ Aが最高に大好きなんです。



それにしても、ユベントスとUSENには、そういった密接な関係があったわけですね。

(自民党の面々も歪に絡んでいる)沖縄の大規模リゾート開発計画中枢に、このような喰い込み方をしているとなれば、・・・・・考えれば考えるほど、USENが、(というか、それを後ろで操作している権力者達が)今回の一連の『ライブドア事件』の核心部分に深く関与していると考えずにはいられませんね。

なにせ、宇野康秀の父親(宇野元忠)といえば、地下組織(特に朝鮮総連系?)に通じた中国人マフィアとも言われている人物ですもんね。

そのため、当局に何一つ文句言わせることなく、堂々と強引に無許可で電柱に配線を駆り巡らせ、ラブホテルやパチンコ屋に音楽を流して金儲けした挙句、大企業に裏からセッセと胡散臭い関係を持ちかけてはポシャッてるし・・・。



ホリエモン一人を悪者にして、実はまんまと表に引きずり出されることなく、ホリエモン以上にしこたま美味しい思いをしてる連中は、かなり多いみたいな気がしてきました。





ところで、私もよくしちゃいます。(笑)  <オウンゴール

それも、勝負が決まる!・・・という瞬間に。(爆)

実は、職業・年齢・国籍・性別等、なぁ~んにも問わないフットサルチームに属しているんです。

皆、サッカー大好きなんですが、サッカーをやるとなると大袈裟になっちゃうので・・・。(フットサルだと、学校とかの体育館内でも出来ますし・・・)

ただ、5分もやってると、かな~り疲れ果てます。。。

オウンゴール。 (ゆりかりん)
2006-04-02 15:37:31
↑の続きです。(シツコクて、スミマセン<m(__)m>)



特に勝負が決まる瞬間のオウン・・・って、何とも言い難い空しさがありますよね。(笑)



私の所属しているフットサルチームは、国籍・年齢・性別・職業等一切問わない和気藹々とした仲間ばかりですが、こういうことをやると、酒のネタとして、シツコク後から責められおちょくられ続けます。(爆)
紋次郎 (雑木帖@管理人)
2006-04-02 21:59:16
 フットサルってちょっとしたスペースがあればできて、サッカーみたいに長距離走らなくてよくて、なかなかいいと思いました。

 まあ、オーバーヘッドシュートなどをするとウいてしまいそうですが(笑)←むろん僕にはそんな技はできません



> 酒のネタとして、シツコク後から責められおちょくられ続けます。(爆)



 あの時は帰り道でイレブンの一人に泣かれたりしまして、まいりました。もともと僕はサーカー部員ではなくて傭兵のようなものでしたから余計まいりましたです。まあ、今となってはそんなちょっとつらい思い出も、いい思い出です。

 今はスポーツのようなものはやっていませんが、バッティングセンターにはたまに行っています(これも、最近は遠のいていますが)。

 実は野球は、横着で学校の背丈ほどもある渡り廊下の壁を飛んで乗り超えようとして失敗して落ちて(笑)、肩なんかも少し壊したりしたこともあって、小学校でやめているのですが、当時習得した打ち方のギジュツのおかげで、それなりに打てたりしてリフレッシュには少し役立っているようです。ただ、近年、バッティングセンターはケチで、一球一球の投げる時間の間隔がとても短くて、せかされるような感じもあって、打つほうにとってはあんまりよくないです。客もそれほどいるわけではなく、そんなことで一人の時間の短縮をはかっても、そのあとは打席が空くだけで意味がないんですが、こういう「ゆとり」のなさは「経済性」を優位におく世の中の共通した傾向でもあるのかもそれませんね。僕にはかえって経済性をそこねているようにも思うのすが。



 沖縄は一昔前の「本土」の列島改造のような趣きもあり大変な郷土破壊が進んでいるようですね。海なんかも、開発による土砂が流れ込んで色が変わってしまっているなど、観光の観点からいっても本末転倒な事態になっていると、6年ほど前に「木枯らし紋次郎」こと中村敦夫議員(当時)氏らが問題視していました。彼も04年7月の参院選で敗退し、日本では貴重な存在だった環境政策政党的な「みどりの会議」も同年11月に解散してしまいました。

 もし彼が今も議員だったら、今回の沖縄開発の問題に鋭く迫ってくれていたような気がします。