写真1●左からヴェクタントの有田大助社長、ニフティの今村隆社長、日本インターネットエクスチェンジの石田慶樹社長、日本ネットワークイネイブラーの小林昌宏社長、KDDIの田中孝司執行役員専務、NECビッグローブの飯塚久夫社長、朝日ネットの土方次郎副社長
写真1●左からヴェクタントの有田大助社長、ニフティの今村隆社長、日本インターネットエクスチェンジの石田慶樹社長、日本ネットワークイネイブラーの小林昌宏社長、KDDIの田中孝司執行役員専務、NECビッグローブの飯塚久夫社長、朝日ネットの土方次郎副社長
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写真2●日本ネットワークイネイブラーの役割はVNE(Virtual Network Enabler)という位置付け
写真2●日本ネットワークイネイブラーの役割はVNE(Virtual Network Enabler)という位置付け
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写真3●日本ネットワークイネイブラーがネットワークの構築・運用を担当し、プロバイダーはエンドユーザーへのサービスに注力する
写真3●日本ネットワークイネイブラーがネットワークの構築・運用を担当し、プロバイダーはエンドユーザーへのサービスに注力する
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写真4●2011年4月以降に、NTT東西のNGN上でのIPv6インターネット接続のローミングサービスを始める。日本ネットワークイネイブラーが日本インターネットエクスチェンジからネイティブ接続事業者としての権利を継承する
写真4●2011年4月以降に、NTT東西のNGN上でのIPv6インターネット接続のローミングサービスを始める。日本ネットワークイネイブラーが日本インターネットエクスチェンジからネイティブ接続事業者としての権利を継承する
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写真5●将来的にNGN以外のアクセスネットワークとの接続や、IPv4/IPv6トランスレーション機能の提供を目指す
写真5●将来的にNGN以外のアクセスネットワークとの接続や、IPv4/IPv6トランスレーション機能の提供を目指す
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 KDDI、NECビッグローブ、朝日ネット、ヴェクタント、ニフティ、日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)の6社は2010年9月1日、IPv6インターネット接続事業などを進める新会社「日本ネットワークイネイブラー」(JPNE)を設立した。2011年4月以降に、プロバイダー(ISP)向けにIPv6接続のローミングサービスを開始する。これは、NTT東日本/西日本(NTT東西)のNGN(フレッツ 光ネクスト)上でIPv6インターネット接続サービスを提供するプロバイダー向けのサービスだ。

 同日開催された記者発表で、JPNEの小林昌宏社長(写真1の中央)は、JPNEの役割を「VNE(Virtual Network Enabler)」と位置付けた。具体的な業務は、主に(1)アクセスネットワークとの接続、(2)国内でのバックボーンネットワークの構築、(3)海外のネットワークとの接続――の三つである。ネットワークの構築・運用までをVNEが担当し、プロバイダーに接続サービスとして提供する。VNEを利用するプロバイダーはバックボーンを持つ必要はなく、エンドユーザーとの契約/サポート業務や、課金/認証/コンテンツ/アプリケーションなどのシステム運用だけを担当すればよい(写真2写真3)。小林社長によると、VNE側でまとめてネットワークを構築・運用すれば、全体の規模が大きくなる分、コスト削減効果が見込めるという。

 最初のサービスとしては、2011年4月以降にNTT東西のNGN上で「ネイティブ方式」のIPv6インターネット接続サービスを始めるプロバイダー向けに、ローミングサービスを提供する(写真4)。ネイティブ方式では、3社の「ネイティブ接続事業者」だけがNGNと相互接続し、他のプロバイダーはネイティブ接続事業者からローミングサービスを受けてIPv6インターネットに接続する仕組み。6社の中では、JPIXがネイティブ接続事業者としてNTT東西の選定を受けている。JPNEは2010年9月にJPIXからネイティブ接続事業者としての権利を継承し、NGNとの接続を担う予定だ。JPNEはIPv6のバックボーンネットワークを構築し、NGNならびにIPv6インターネットに接続。そのうえで、IPv6インターネットへの接続性をローミングサービスの形でプロバイダーに提供する。プロバイダーに対しては、「プロバイダーごとのトラフィック総量とID数の両方を基に課金する予定」(小林社長)だという。なおエンドユーザーからは、プロバイダーがIPv6インターネット接続サービスを提供する形に見える。エンドユーザーに対するIPv6インターネット接続料金は、「まだ検討中」(NECビッグローブ関係者)ということだ。また、JPNEはIPv6からサービスを開始するため、IPv4については当面プロバイダー各社がバックボーンネットワークの構築と運用を続ける見通し。

 将来的には、NTT東西以外の通信事業者のFTTH、CATV、モバイルWiMAXなどの無線ネットワークといった、幅広いアクセスネットワークへの接続も計画している(写真5)。そのほか、プロバイダー向けにIPv6パケットとIPv4パケットのトランスレーション(変換)機能などを提供する予定だ。こちらはJPIXが実験サービスを開始している(関連記事)。

 JPNEはKDDIとJPIXが2010年2月に設立していた「ブロードバンドアクセスエクスチェンジ企画株式会社」が実施した第三者割当増資に6社が応じ、事業会社として社名変更したもの。資本金は20億円で、出資比率はKDDIが55%、残りの5社がそれぞれ9%となる。

日本ネットワークイネイブラーのWebサイト
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