ドイツ軍兵舎2カ所でナチス関連物 全施設を検査へ
ドイツの国防省は7日、同国軍の兵舎2カ所でナチスに関連した物品が見つかったことから、連邦軍の監察官が全兵舎の検査を命令したと発表した。
フランス北東部のイルキルシュにある仏独合同旅団の駐屯地で、ナチス・ドイツ時代のドイツ国防軍に関連した物品が共有スペースに置かれていたのが見つかったほか、ドイツ南西部ドナウエッシンゲンのフュルステンベルクでは、ナチス時代のヘルメットが陳列キャビネットに置かれていたことが6日に判明した。
独誌シュピーゲルによると、壁にはドイツ国防軍の兵士の写真が壁に掲げられており、ナチス時代の銃やヘルメット、軍の装飾品が置かれていたという。
国防省広報官がロイター通信に語ったところによると、国内法が禁じるカギ十字などのナチスのシンボルがあしらわれた物品は見つかっていない。
これに先立ち、28歳の陸軍将校がシリア難民を装った攻撃を計画していたとされており、ドイツ軍内の極右思想が問題になっている。フランクフルトの検察は、同将校には「外国人排斥思想の背景」があると指摘した。
ドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン国防相は計画されていた訪米を取りやめ、急遽(きゅうきょ)、将校が生活していたイルキルシュの兵舎を訪問。その際にドイツ国防軍に関連した物品が見つかったという。
フォン・デア・ライエン国防相は今月3日に、現代の連邦軍の中で、ドイツ国防軍を崇拝するような行為は許されないと語っていた。
国防相は今回の問題は単独の事例ではないと指摘。「団結心が何であるかを誤解した」軍幹部らが、「見て見ぬふり」をしていたと批判した。
しかし反対勢力から、軍全体の名誉を傷つける発言だと批判された国防相は、調子が強すぎた謝罪している。