株式会社三橋貴明事務所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから

三橋貴明のツイッター  はこちら

人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

   

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
チャンネルAJER更新しました。

『フィリップス曲線(後編)①』三橋貴明 AJER2013.1.29(1)

http://youtu.be/aCRShLcO178

『フィリップス曲線(後編)②』三橋貴明 AJER2013.1.29(2)

http://youtu.be/TP1JVAhYAqs

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【3月9日”三橋貴明シークレットセミナー アベノミクスと日本経済復活の秘策http://hikarulandpark.jp/shopdetail/001004000004/

【3月28日 因島商工会議所後援会「アベノミクスでどうなる日本経済?!」】NEW!

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_41.html#0328  

【3月31日 下館青年会議所講演会「日本経済の嘘と真実!!」】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Shimodate
【4月6日 FUNAI MEDIAセミナー「アベノミクスで激変!日本経済はどうなる!?」】http://www.funaimedia.com/seminars/seminars_main.html?data_id=287
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
三橋貴明の「新」日本経済新聞のフェイスブックのページができました!
https://www.facebook.com/mitsuhashipress
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 小学館「経済の自虐主義を排す: 日本の成長を妨げたい人たち (小学館101新書) 」が発売になりました。

 本日のエントリーの主旨についてより詳しく知りたい方は、上記「経済の自虐主義を排す: 日本の成長を妨げたい人たち (小学館101新書) 」をお読みいだたくか、あるいは「うずら」さんのブログのエントリー「新自由主義者が説く『減富論』 」をお読みくださいませ。


 「企業は今、巨大な内部留保を抱えていると思っております。幸いにして株価が上がり、輸出企業にとってはドルが高くなり、円が安くなったんで、明らかに思わぬ利益が入った分が収益として増えている。その増えた分で従業員の給料を上げようといわれる会社もある。ただ、ここんところは、われわれが強制してやらせることではありません。私どもは共産国家じゃありませんので


 上記は8日の衆院予算委員会における、麻生太郎財務大臣の答弁ですが、これは共産党の笠井亮議員の、
「企業の収益増が従業員の賃金アップにつながっていない」
 という質問に対するものでした


 笠井議員をはじめ、共産党の「企業が利益を上げても、賃金に還元せず、内部留保が増えるばかりじゃないか」という指摘は、全く正しいです。


【日本の非金融法人企業(民間)の現金預金の推移(単位:億円)】
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_41.html#Yokin


 上記の通り、民間企業(金融企業除く)特に大企業は、長期的には現預金をひたすら貯めこんでいっています。その額は、すでに200兆円を突破いたしました。

 資本主義国の企業の仕事は、負債を増やし、投資をし、国民経済を成長させることですが、現在の日本ではこれが成立していません。すなわち、現在の日本は事実上、資本主義国ではないのです。


 だからと言って、政府が企業の内部留保に課税したり(財産権侵害に該当すると思います)、企業に賃上げを強制することはできません。我が国はまさしく、共産主義国家ではないのです。


 以前、何度か書きましたが、日本共産党は調査能力や分析能力は極めて高いのですが、解決策が変な方向に行きがちです。(もっとも、わたくしは調査・分析能力が高いことから、共産党は日本に必要な政党だとは思っています。少なくとも、社民党や生活の党のように不要な政党ではありません)


 我が国は共産国家ではありませんので、政府は減税政策(例の「従業員の給与を引き上げたら減税しますよ」という減税)などで、企業の賃上げのインセンティブを創り出すしかありません。が、本当にこれだけしかないかといえば、もちろんそんなことはなく、政府は「お願い」をすることはできるのです


 上記の麻生財相に続く、安倍総理の答弁は以下の通りでした。
 麻生財相の答弁で、国会が爆笑に包まれる中、安倍総理は笑顔で以下の通り回答しました。


「政権として麻生副総理の発言を撤回をしますが、経営者の皆さまに賃上げの要請するつもりでございます」


 安倍総理は別に口だけで「賃上げを要請する」と言ったわけではなく、すでに諮問会議でその旨を表明しています。


首相、産業界に賃上げ要請へ 諮問会議で表明
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020501002181.html
 政府は5日、経済財政諮問会議を開き、デフレからの脱却に向け、雇用・所得の増加を伴う経済成長を実現するための具体策を議論した。安倍晋三首相は「業績が改善している企業には、賃金の引き上げを通じて所得の増加につながるよう協力をお願いしていく」と述べ、産業界に賃金上昇に向けた取り組みを要請する考えを示した。
 民間議員4人は連名の提言を示し、労働者の賃上げやスキル向上といった課題の解決に向け、政府と経営側、労働側の3者による協力を進めるよう呼び掛けた。』


 さて、新古典派経済学に基づくグローバリズムは、企業の純利益拡大に至上の価値を置いています。何しろ、グローバル投資家への配当金は、企業の純利益から支払われるのです。


 純利益を拡大するためには、(1)売上を最大化し、(2)費用を最小化し、さらに(3)政府への分配(法人税)を小さくすればいいわけです。純利益=売上-費用-法人税でございます。


 これら「純利益最大化」の政策を容赦なく実施した(あるいは実施させられた)のが、ご存じお隣の韓国でございます。


 ところで、費用の中でも人件費と法人税を小さくすると、その分だけ「国民が損」をします。法人税を引き下げると、その分だけ政府は支出を削るか(=国民の損)、別の形で増税(=国民の損)をしなければなりませんので、最終的には国民が「政府から支払ってもらえないか、あるいは余計に税金を取られる」形で損をするわけです。


 人件費圧縮や法人税減税で国民の可処分所得が減ると、国内の購買力が縮小していきます。すなわち、内需が成長しなくなります


 内需が成長しないと、上記(1)の「売り上げ最大化」が難しくなるように思えます。とはいえ、
だからこその、グローバル化」 
 という話なのでございます。

 

 市場はグローバルに求め、グローバル市場でシェアを拡大することで売上を拡大し、国内は人件費抑制し、純利益を最大化する。人件費を抑制すると内需が成長しなくなり、国民が貧乏になります。国民が貧乏になれば、より安い賃金でも働かざるを得なくなり、ますます純利益拡大がやりやすくなります。ここに「雇用の流動化」や「派遣社員の解禁」などの政策を持って来れば、ますます内需縮小、人件費抑制、企業の純利益拡大が進行します。


 お分かりでしょうが、お隣の韓国ほどではないですが、日本政府(橋本政権以降)も上記の「企業の純利益を拡大する」ための政策を「改革」の名の下に打ち続けてきたのです。特に、「改革」が一気に進んだのは、言うまでもなく小泉政権です。(韓国は上記に加え、「国内企業の寡占化」という、やはり国民が損をする事態が進行しています)


 安倍総理の「企業の皆さん、賃上げしてくれません?」という要請は、国民に損をさせ、企業の純利益を拡大し、グローバル投資家への配当金を最大化する「グローバリズム」に真っ向から刃向う政策なのです。


 日本は1945年以降「戦後レジーム」という間違いを続け、さらにバブル崩壊後は「グローバリズム」という間違いも始めました。すなわち、日本が二重の意味で間違いをはじめてから、すでに二十年近い歳月が経過しているわけでございます。これを修正するのは、一朝一夕にはいきません。


 別に、安倍政権に文句をつけるなという話ではありません。色々と文句をつけたいことは有りますし、実際にわたくしにしても批判するべきところは批判しています。とはいえ、少なくとも安倍政権が「方向的」に正しい道を進もうとしていることだけは確かなのです。(TPPや消費税増税は、方向としても間違っているので、何としても止めなければならないのは言うまでもありません)


 批判をすると同時に、上記の類の「グローバリズム」あるいは「戦後レジーム」について、国民が正しい知識を身に着け、世論を変え、政治家を動かす。これが、現在の日本国民に求められていることであると確信しています。


本日のエントリーの主旨にご賛同下さる方は、
このリンクをクリックを

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ
◆本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog

ポルパパのブログ

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
投資と車と日々の起業家日記 管理人:ポルパパさん

おじさんの談話室

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座

◇日本経済復活の会

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
新世紀のビッグブラザーへblog一覧 はこちらです。