イイかもAndroid3.0!! で、XOOM購入

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


イイかもAndroid3.0!! で、XOOM購入

 auから発売されたAndroidタブレットのMOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11Mを買った。名前のとおりモトローラ製のタブレット。コレがなかなかイイんであった。

MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M本体。10.1インチ(1280×800ドット)の静電容量方式タッチパネルを搭載する。XOOMは「ズーム」と読むXOOMはAndroid3.0(コードネーム;Honeycomb)搭載のタブレット。ほぼデフォルト状態のホーム画面表示はこんな雰囲気になっている

 MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M(以下、XOOM)はちょいと話題の「Android3.0(Honeycomb)搭載」のタブレットですな。Android3.0はタブレット専用OS。後述するが、Android2.2などスマートフォン用OSとはかなり使用感が異なる。が、結論から言えば、なるほどタブレット用OS、Androidタブレットの利便を引き出せる。

 発売当初、XOOMを買うつもりはなかった。「GALAXY Tabあるし、Androidタブレットはしばらく様子見~」とか思っていた。のだが、知り合いに(同じくAndroid3.0を搭載する)NTTドコモのOptimus Pad L-06Cを触らせてもらったら「あ!! Android3.0、イイかも!!」とか思ってサクッとXOOM購入して快適に使って現在に至り中である。

 ぶっちゃけた話、Android3.0は使いはじめにちょっと違和感あったんスけど、かなり快適。まだAndroid3.0のメリットを活かしたアプリが少ないなどの残念感はあるが、速度的気持ちよさと、アプリの対応など今後の環境的進化を見込んでのワクワク感がある。てなわけで以降、XOOMを3週間少々使ってきた印象などをレポートしてみたい。

 

最初マジ戸惑いましたよ、ええ

 まずXOOMのおおまかなスペックをば。前述のとおり10.1インチワイド(1280×800ドット)の静電容量式タッチパネルを持つAndroid3.0搭載タブレットですな。プロセッサとしてNVIDIA Tegra 2(1GHz/デュアルコア)採用し、32GBのメモリを内蔵する。さらにmicroSDカードスロット(32GBまで対応)を搭載している(ただし後日に対応ファームウェアがリリースされるまで機能しない)。カメラは2個搭載(メイン約500万画素/サブ約200万画素)。

 ネットへの接続手段は内蔵Wi-Fi(IEEE802.11b/g/n)のみ。3Gなどの回線を内蔵しない、なんつーか純粋なタブレットなわけですな。回線契約不要なので買いやすいと言えるかもしれない。そのほか、Bluetooth(2.1+EDR)に対応し、GPSや加速度センサ(6軸)といったモジュールを内蔵する。

10.1インチの画面で質量は約700g。初代iPadと重さや大きさはだいたい一緒って感じ本体下側。左から、充電端子、ドック接続端子、HDMIマイクロ出力端子、microUSB端子がある画面側に約200万画素のサブカメラがあるほか、背面に約500万画素のメインカメラがある

 ハードウェアとしてボタンが少なくスッキリしているXOOM。物理的なボタンは、本体左上横の音量ボタンと、本体背面(カメラ横)の電源ボタンしかない。Androidスマートフォンには[ホーム]などいくつか多用する物理ボタンがあるが、Android3.0タブレットではこれらボタン類は全て画面上に表示されるソフトウェアキーになっている。

 こういったスッキリ感に加え、表示やサウンドなどまで、なんかこー、洗練されたイメージのあるAndroid3.0。なのだが、しかし、使用開始当初はかなり戸惑った。そのUIが従来のAndroid端末と大きく異なり、また、なんかこうアイコン類が若干抽象的でわかりにくかったからだ。

電源ボタンは背面のカメラ部端にある。購入直後、電源ボタンを5分くらい探してしまった。この電源ボタン位置はXOOM独自の仕様ロック画面。丸いアイコンを鍵のアイコンにフリックすればロックが解除される。わかりやすさよりデザインを重視したUIなのか!?ホーム画面。左上に[検索]、左下に[バック]/[ホーム]/[起動中アプリ]、各種設定は画面右下の時刻表示部などから(も)行える

 初めてAndroid端末に触れる、てな人だとAndroid3.0は迷いまくりだと思われる。ちょっと慣れれば快適に使えるOSだが、Android2.2などのほうが理解しやすいかもしれない。でもまあ、いきなりAndroid3.0タブレットから入るって人は少ないと思うので、大きな問題ではないかも。なお、拙者の場合は使いはじめて1時間くらいで「なるほど、ココにコレがあるのネ」とだいたい飲み込めた。

 ちなみに、XOOMにはモトローラ独自のカスタマイズ(アプリなど)は少ないとのこと。ある程度Android端末の使い方を知っている人が自分でカスタマイズして使うという方向なんでしょうな。

ホーム画面は左右にスワイプすることで切り替えられる。5枚あるホーム画面を自由にカスタマイズして使用できるホーム画面の右上[アプリ]ボタンをタップすると、端末にインストールされているアプリを一望できるユーザーが購入/ダウンロードしたアプリのみを表示させることもできる
ホーム画面上ではアプリやウィジェットの位置をグリッドに沿って配置することができるホーム画面右上の[+]をタップすると、カスタマイズのための機能を呼び出せる壁紙もイロイロと。全体的に抽象的なUIだが、一度慣れれば非常に使いやすい

 てな感じで、これまでのAndroidとは互換性はあるものの、UIの使用感は別モノってな感じのAndroid3.0。XOOMなどの場合は搭載するプロセッサも高速なので、そのあたりの速度感も合わせて、従来のAndroidタブレットと使用感が大きく異なる。

 

全体的にサクサク動くXOOM

 XOOMをしばらく使ってきて、意外な違和感が生じた。てのは、快適な速度で動作すると感じていた初代iPadやiPhone 4に対して「ん~、なんか遅いのか!?」とか感じるようになったこと。まあ全然別のプラットフォームのハードウェアなので比べてもしょうがないが、恐らくこの違和感はXOOMの全体的な「速さ」から来たものだと思う。

 XOOM、イジってて「うわっ速っ!!」てな感じではない。HDDからSSDに乗り換えたようなハッキリとした速度差を体感できるというイメージではない。のだが、よーく見ながら使っていると、XOOM自体の動作で「遅い」と感じる箇所がほとんどナイのだ。サーバ側の反応が遅いから待たされる的な「XOOMが原因ではない遅さ」はあるものの、UI操作時やアプリ起動/切り替えなどから遅さは感じられない。

 そのようにサクサク動作するXOOMを使い、同時に初代iPadやiPhone 4をイジると「あらモッサリ」とか感じてしまう。拙者的には、これらiOSデバイスは、まずまず良好なレスポンスに優れたUI的演出が加わったゆえ「非常にスムーズに操作できている」と感じられるのだと思う。XOOM使用開始後、いろいろなデバイスの部分部分のレスポンスをジックリ見るようになってしまった拙者の場合、初代iPadやiPhone 4、意識すると遅い箇所や待たされる瞬間がけっこー感じられるようになってしまった。

 それから、Android2.2端末のGALAXY SやGALAXY Tabと比べると、これら2つの端末にチョイ見られるカクカク感がXOOMにはナイ。両端末とも操作時のレスポンスは良いほうだと思うが、XOOMは高解像度であり3D表示などの凝ったUI的演出までしているのに、全然カクカクもモタモタもしないのは大したモンだと思われる。

ホーム画面をスワイプして切り替え中。じつは壁紙としてリアルタイムで動くライブ壁紙を使用中なのだ。それでもモッサリ感皆無複数のアプリの起動~切り替えもクイックに行える。この壁紙もライブ壁紙。再生する音楽などに合わせてダイナミックに動くのだTegra向け3Dゲームも快適。グリグリ視点を変えつつプレイ可能。ただ、3Dゲーム類はデータの読み込み~起動までに少々時間を食う
1280×800ドットの画面を使ってのスライドショーなども快適。マルチタッチでの拡大縮小、スワイプなどもスムーズで違和感がないGoogleマップはAndroidタブレット(のある程度高解像度の端末)で見るのがいちばん快適かも!! XOOMだと引っ掛かり感などは皆無使用開始当初は戸惑いがちな設定画面だが、チョイ慣れてみると非常に直感的に使えることがわかる。見栄えもイイ感じですな

 XOOMは、ハードウェア的なレスポンスの良さ~UI操作感のチューニングまでビシッとキマってるように感じる。アプリによっては一瞬表示が遅れたりすることもあるのだが、そういうケースはわりと希な気がする。全体的に何をしても「引っ掛かり」とか「カクカク感」とか「モッサリ感」がほぼなく、速いタブレットだと思う。

 あと、この速さに加え、……思い切って言っちゃうと、Android3.0はUIの見栄えから泥臭さを感じないっつーかAndroid2.2あたりと比べると垢抜けている印象。今までのAndroidとは別モノと感じてしまいがちである。

 

Android3.0対応アプリならリッチ感あり♪

 XOOMに搭載されているAndroid3.0はタブレット用OS。なので、大画面で使いやすいようにアレコレ工夫されており、Android3.0対応のアプリもまた、大画面で使うと非常に快適でありリッチな気分に。以下にAndroid3.0の標準的なアプリの見栄えなどを掲載してみる。

Gmailアプリ。横表示だとこんな感じ。一覧性が高いですな縦表示だとこんな感じにメール内容を表示させた様子
ブラウザアプリ。細かい文字も問題なく読める縦表示にしたところ。端末に顔を近づければ十分読めるリンクを長押ししたところ。新規タブで開けるわけですな
マップアプリ。GoogleマップはAndroid端末で見るのが最高♪解像度が高い表示だが、3D表示や回転などもスムーズに行えるもちろん、各種レイヤや地点情報なども自由に扱える
YouTubeアプリ。こんなふうに立体的におすすめ動画が表示され、スワイプして眺めていける1本の動画を再生しているところ。関連動画にもアクセスしやすく、ずーっとYouTubeしちゃいますなAndroidマーケットアプリ。広々とした見栄えだ
音楽アプリ。アルバムアートがこのように3D表示される。スワイプで斜めにブラウズしていける1枚のアルバムから曲を再生したところもちろんバックグラウンドで音楽を再生可能

 なるほどタブレット専用OS、画面の大きさを有効活用できるようにアプリが作られてますな。また、実際に使ってみても操作感は良好。直感的に扱える感覚もある。XOOMのパフォーマンスの高さも加わって、気持ち良くアプリを使っていける。

 次に、標準的アプリってわけではないが、手持ちのアプリをAndroid3.0上で何本か試したので、その表示の様子を掲載してみよう。

i文庫アプリ横置きで青空文庫を表示させたところ縦表示。ページめくりもスムーズに行えた
Dual Window Web Browserアプリ。ウェブページを2枚並べて表示できるアプリですな乗換案内アプリ。縦画面のみ表示可能だった。スペースも空きすぎてますなMP3 Cover Fetcherアプリ。アルバムアートワークを取得できるアプリだ

 i文庫はちゃんと使える感じだが、しかし、文字サイズがちょいと大きすぎるかもしれない。また、ワイド画面上に文庫本を表示させるとなんかこう、縦横比に違和感があったりする。

 ほか、Android3.0に真っ向から対応しているわけではないアプリでも、まあ全体的に一応は使える。ただ、表示に空間が多かったり、文章が横に長く表示されて読みにくかったり、あるいは縦表示のみ対応だったり、XOOMの画面上に小さく表示されるだけだったりと、細かな問題はある。

 ので、やはり、XOOMなどAndroid3.0端末を楽しく愉快にガシガシと利用しまくるには、今後のAndroid3.0対応アプリの増加に期待するしかない。

 

XOOMのイマイチなところ

 慣れるととても使いやすいAndroid3.0。10.1型で1280×800ドットという解像度を持ちつつ、非常にキビキビ動くXOOM。今後Android3.0対応アプリが増えればきっとイーヤッハァ級の楽しさになると思う。が、それはソレとして、XOOMにもイマイチな部分があった。

 ひとつは重さ。約700gは、手に持ったまま使うにはやっぱり重い。ただ、公称で約8.5時間の連続使用時間があるので、バッテリーの保ちと端末の重さはトレードオフって感じだろうか。

 XOOMは画面サイズが大きいわりにはコンパクト──iPadの画面は9.7型でXOOMは10.1型だが、本体はだいたい同じ大きさだったりする。これはXOOMの額縁が狭めだからですな。狭め額縁により、本体全体が画面って感じで気持ちイイんだが、しかし、ときどき面倒が。

 てのは、XOOMを持つ/支える手(の指が)額縁に触れがちだが、このとき指が画面にちょっとかかっているとマルチタッチ状態になって、たとえばスワイプがうまく行かないなどの事態に陥る。すぐに「あ、指が触ってた」と気づくので大きな問題ではない。が、重め端末で狭め額縁って、こんな問題が起きるんですな。Androidタブレット、まだまだディテイルにおけるコナレ感が足りないのかニャ、とか思う。
 あと、microSDスロットがあるのに、まだコレが使用可能じゃないのもヘンですな。ファームウェアアップデートで近日使えるようになる予定らしいが、それがいつなのかは未定。microSDカードの利用はXOOMの強みとも言えるので、早く使えるようにして欲しい。

 それと、XOOMはUSB給電非対応ってのが残念。付属のACアダプタがないと充電できない。ACアダプタはサブノートPC用ACアダプタくらいのサイズがあるので、常時携帯には少々邪魔。まあバッテリーが8.5時間保つので、出先で充電する必要に迫られることは少ないとは思うが……。

 少し前述したが、XOOMなどAndroid3.0タブレットを、Android未経験者がイキナリ使うのはカッタリイかもしれない。「Androidってこういう世界」ってのがなんとなくわかった人が使えば、Android3.0のUIってスマートに使えると思うが、ゼロからイキナリAndroid3.0を使いはじめると多々迷うと思われる。

 にしても、Android2.2とAndroid3.0、別モノと思えるほど使用感が異なるんだが、今後、Androidってどーなるの? と思ったりもする。スマートフォンとタブレットで別の道筋を辿るのかな、的な。どうなるんでしょうね。端末やOSの切り替えサイクルも短いし、今年もAndroidはどんどん変化していくのだろうか?

 てなあたりまで含め、Android2.2端末とAndroid3.0端末と、それからiOS端末なんかを並べてアレコレとイジるのは楽しい。久々のワクワク感かもしれない。そのあたりを体験して面白がりたいって人には、興味本位でも実用本位でも使えるし3G回線契約不要なXOOMはオススメできるAndroidタブレットだと思う。

2011/5/9 06:00