get、be、have

5月22日

古英語の音声付き教材とかw こんなん完全に重篤患者ですわw
Complete Old English (Anglo-Saxon) with Two Audio CDs: A Teach Yourself Guid... http://www.amazon.co.jp/dp/0071747737/ef=cm_sw_r_tw_dp_NbmNrb02RX7SG

5月23日

待つだけ早番。TEACH YOURSELF OLD ENGLISH をパラパラめくる。
はじめの方に、「現代英語の基本的な語彙は、大体が古英語に由来」とか書いてある。
普通の感覚だと「当たり前だろw」ってなると思うが、これが面白い所で。

英語の語源を知って面白いのは、個々の語にまつわるエピソードとかより、
take, get, give
などの英語語彙のド真ん中に、古期北欧語からの借用語が入ってたりすることのほう。
代名詞theyといったいわゆる機能語にすら紛れ込んでいる。



5月30日

英語語彙の get、give、take とかは、語彙体系のど真ん中に位置する語彙なのだが、実はこの3つの単語はいづれも古期北欧語からの借用なんだよな。
これはかなり凄いというか妙なというか異常なことだよな。

基本の基本の単語なのだけど、特にgetとtateは、英語に接すれば接するほど難しく感じるというかなんというか。余りに対象範囲が広すぎてコアイメージの抽象化が難しい。
このへん、元々外来語という素性と関わりがあるのだろうか。


英語とはアングロ・サクソン語の皮を被った北欧語なんじゃないか?説
か、若しくは
getやtakeは英語におけるカタカナ語説≒英語ルー語説「getしようぜ!」
いずれかを採用する日が来るかもしれん。



マケプレで買った中島文雄・寺澤芳雄『英語語源小辞典』良品、とどいた。以前とても欲しかったやつ。パラパラめくって読んでるけどやっぱり面白いなあ。

昨日つぶやいたgetとtakeについてもサラッと記述がある。
giveは意味内容までの借用というより音形だけがOld Norseの同系語に影響された、と言うのが正しいよう。

getとtakeが古期北欧語から入る以前はnimanが主に使われていたと。時代が下るにつれて取って代わられていった。
類義語では現代語winの先祖gewinnanなども使われていたが、そちらもget、takeに道を譲った。


getは、印欧語根まで大本をたどって、さらにそこから派生した語を見ると、ラテン語の語根ーhendere、それを含むprehendereなどが親族語に当たる。

馴染みの英単語で言うとcomprehend、comprehension、comprehensiveが派生語で、getそのものをポンと言われるより、こっちの連想を参照するほうがなんかむしろイメージはつかみやすい感じがするな。



5月31日

getの話が気になりだしたらキリがなくて、The American Heritage Dictionary of Indo-European Roots 引っ張り出す。

始めからこれ引けば良いようなもんなんだけど、これ普通の人には到底使いこなせないから、中島・寺澤著みたいな媒介が要るんだよな…。

で、 getと同じ印欧語根由来の古期英語本来語は、一番近いものはbegetとforgetがある。前者は殆ど馴染みがないのですっと綱からないけど、forgetの辺りを読んで見ると、forーはゲルマン祖語再建形で*ferーはrejection、「除外」や「禁止」の含意の接頭語で、forget 全体では、to lose one's hold が原義ということ。

これだ、と思った。これは凄くピンとくる。イメージがとても腑に落ちる。
getの反対語はforgetで良いんだ。

getの原義は「手に入れる」と日本語でやってしまうと、これ自体が随分アイマイというか抽象的な次元の表現だから、いまいちピンとこないんだよな。


”get” は「haveへの移行」でだいたい合ってる気がするな。


辞書でgetの句動詞の項目を眺めてると、get自体の意味はほとんど無くて、
「不変化詞(前置詞・副詞)の内容を実現する役割を果たす、一種の機能語・接辞・形態素
だと考えたほうがいい気がしてくる。


【get】 色々考えてたらだいぶイメージがまとまってきた。
getをSVO文型で使うと、「対象物がhaveの領域に入るまで、自分が動いていく」というのが大体当たりじゃないかな。
比較対象としてtakeを見ると、こちらは「手を伸ばして対象物の方を引き寄せる」感じがある。

一方SVCで使うと、「別の状態とbeになるまで自分が動く」になる。
動いた結果、元の場所にはいない。

SVA(場所の副詞句)で使うと、「その場所にbeであるように自分が動く」。


【beとhave】
getについて考えてたついでに、この2つの語についても閃きが。
beとは「自分そのもの」、haveというのは「拡張された自分」、「自分そのものを広げた範囲」での所在を示すのだろう。


【getとbeとhave】
んで、getというのはこの「自分の領域とその中心」を示すbeとhaveの状態について、新しい状態に移るために、「自分の基準位置自体」が「内在的な力によって」動いていく、ということでまとめられる。