中国が怒ったグルーポンのスーパーボウルCM(動画)

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中国が怒ったグルーポンのスーパーボウルCM(動画)

「これでグルーポンの中国市場進出は失敗確実になった」とまで言われてますよ。

米国内視聴者数史上最多の1億1100万人を記録した7日のスーパーボウル(NFL王位決定戦)でオンライン割引きサービス「Groupon(グルーポン)」が流したCM。1本が評判悪いという話は先日お伝えしましたが、そこまでとは。

同社はグーグルから60億ドルという巨額の買収オファーを蹴って、史上最高の9億5000万ドルの投資を取り付け、右肩上がりの急成長を遂げる企業です。創業以来初のオフライン広告出稿で、いきなり世界最高相場の30秒300万ドル(2.5億円)の枠を買ったのですが...トホホ。

このCMの何がいけないんでしょう?

CMタイトルは「Save the Money - Tibet(お金をセーブ - チベット編)」です。同社が様々な社会運動団体のため寄付金を募るサイト「Save the Money」をプロモートするもの。「Save Tibet(チベットを救え)」運動にかけたパロディーに聞こえなくもないけど。

放送では雪を頂いたチベットの絶景が流れ、ハリウッド俳優ティモシー・ハットンがこう語ります。

「チベットの人々は今、大変なことになっている。自分たちの文化が存亡の危機なんだ(しんみり)。でもこうして旨いフィッシュカレーを作ってるんだね。さーこれでGroupon.comでこれ200人買ったんでシカゴのヒマラヤン・レストランでチベット料理30ドル分がたったの15ドルだよ!」

日本の我々が見てもピンとこないかもしれませんけど、これ、中国の人たち的にはアウトもアウト、大アウトらしいのですよ

「アホ、もっとアホ、最高にアホ。プロ・チベットのCMをスーパーボウルで流して会社の宣伝に使うなんて、どんだけバカなのだ?」

と中国の人気動画共有サイト「Tudou.com」創業者のMarc van der Chijsさん(上海在住)はNYデイリーの取材に答えているので、とんでもない地雷を踏んでしまったことは確か。

チベットを応援する人たちも「チベットと割引き、関係なさ過ぎるでしょ」と怒ってます。

怒号の嵐を受け、グルーポンのアンドリュー・メイソン(Andrew Mason)CEOは早速ブログに釈明文を出し、「チベット問題を軽んじる意図は全くなかった」と平身低頭。広告制作会社はCrispin Porter+Boguskyだとまで明かしちゃってますよ。CM割引きしてもらえるんでしょうか!?

[Fast Company, NPR, NY Daily]関連:CNNWikipedia-チベット問題

satomi(米版